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- 災害援護資金とは?利用の流れや内容をもしものために備えよう
目次
近年、震災や天災などが増えており、その被害に遭う方も少なくありません。
そのような“もしも”のときの使える「災害援護資金」をご存じでしょうか。
災害救助法が適用される災害が起きた場合に、市町村が一定の条件を満たす世帯に対して、無利子もしくは低利子で資金を貸付する制度があるのです。
今回は、もしものときのために是非知っておきたい「災害援護資金」について、その制度内容や償還(返済)について、また、そのような災害の被害を最小限に抑えるためにできる対策についてもご紹介します。
災害援護資金とは?
まず、災害時に貸付してもらえる「災害援護資金」とはどのようなものなのか、その制度内容を解説します。
<災害援護資金とは>
災害援護資金とは、震災や天災などの災害により負傷、もしくは住居などに被害を受けた場合に、所得などの一定の条件を満たした世帯が市町村より貸付してもらえる資金のことをいいます。
制度としては被災者支援を目的としているため、無利子もしくは低利子で資金を貸付してもらえることが特徴となっています。
<適用される災害>
災害援護資金は、すべての災害において貸付されるわけではありません。
災害救助法が適用された災害が都道府県で一つ以上あった場合に、災害援護資金の貸付がなされます。
災害が発生した場合に、災害援護資金の貸付がおこなわれるかどうかは、市町村の公式ホームページや担当箇所への問合せなどを通して確認すると良いでしょう。
<対象者の条件>
災害援護資金の貸付を受ける対象者の条件としては、以下のとおりです。
・世帯主が負傷し、療養におよそ1か月以上かかった場合
・住居や家財が被災し、その被害額が価格のおよそ3分の1以上
さらに、世帯の総所得金額も条件となり、世帯人員と前年の世帯の総所得金額が以下の場合は対象となります。
・1人:220万円未満
・2人:430万円未満
・3人:620万円未満
・4人:730万円未満
・5人以上:1人増すごとに730万円に30万円を加えた額未満
・世帯の住居が滅失した場合は、世帯人員に関わらず1,270万円未満
<貸付の限度額>
災害援護資金の貸付の限度額は、その被害の大きさや態様によって異なってきます。
①世帯者が負傷した場合(療養に1か月以上かかるとき)
・住居、家財ともにその価格の3分の1以上を損なう被害がない場合:150万円
・住居、家財ともにその価格の3分の1以上を損なう被害がある場合:250万円
・住居が半壊した場合:270万円(350万円)
・住居が全壊した場合:350万円
②世帯者が負傷しなかった場合(療養に1か月以上かからなかったとき)
・住居、家財ともにその価格の3分の1以上を損なう被害がある場合:150万円
・住居が半壊した場合:170万円(250万円)
・住居が全壊した場合:250万円(350万円)
・住居が流失もしくは滅失した場合:350万円
※建て直しをする際に、現存部分も取り壊す必要がある場合など特別な事情がある場合は()の金額を適用する
なお、災害援護資金の貸付の利子については、「据置期間については無利子とし、据置期間の経過後は利率を年3%とする(延滞の場合を除く)」とされています。
ただし、東日本大震災の場合は、特例により無利子(保証人がいない場合は年1.5%)と定められました。
災害援護資金の償還の流れとは?
では、災害援護資金の貸付を受けたあと、その資金を返す(償還する)場合は具体的にどのような手続きをおこなうのか、その流れについてご説明します。
<災害援護資金はいつまでに返せば良い?>
災害援護資金の貸付は、「貸付日(災害援護資金の振込日)の翌月1日から13年」となっています。
たとえば、貸付日が「令和2年9月15日」であれば、災害援護資金の償還の期限日としては「令和15年10月1日」までとなります。
<災害援護資金の償還の流れ>
では、具体的に災害援護資金を償還する場合どのような流れになるのかをご説明します。
なお、前提として、据置期間内での償還は「繰上償還」となり、無利子になります。
据置期間終了後が償還期間となり、基本的に年3%の利子がかかってくることになります。
①償還案内
据置期間の終了、つまり償還開始日の3か月前に償還案内が届きます。
・現況の確認:償還開始日、貸付金額(償還残額)、連帯保証人の有無、償還方法などについて確認される
・繰上償還に関する案内:償還開始前の全額償還は無利子となるため、その案内がされる
・連帯保証人に関する案内:償還開始前に新たに連帯保証人を立てた場合は、無利子となる
・償還方法の変更についての案内:年賦もしくは半年賦の変更ができる
②納付書送付
各期償還開始にあわせて請求書(納付書)が届きます。
③催促状送付
償還をしなかった場合は、各期償還期限の20日後までに催促状が届きます。
<償還免除の制度とは>
災害援護資金の貸付を受けたものの、返済能力がないなどでどうしても償還できない場合、償還免除の申請をすることができます。
償還免除を申請することができるのは、以下の①②の条件両方に該当する場合です。
①借受人が死亡して借受人に相続人がいないとき、もしくは、その相続人が償還できない場合
借受人が精神あるいは身体に著しい障害を受けたことで、償還することができなくなった場合。
②連帯保証人または連帯保証人の相続人も、償還することができない場合
以上を示すために、改正災害弔慰金法にかかる内閣府令が定める「所得基準」および「資産基準」を満たす必要があります。
<償還免除を申請するために必要な書類>
償還免除を申請するために必要な書類は、以下のとおりです。
①免除申請書
②所得証明書・固定資産税証明書・その他源泉徴収票など ※所得税・住民税・固定資産税・社会保険料の支払額がわかる書類
③資産状況申立書・預貯金通帳のコピー
免除申請書については、インターネットからもダウンロードすることができます。
災害に強い家とは?災害援護資金の一歩前の対策
もしもの救済措置として災害援護資金の制度はありますが、災害援護資金は返済不能になるなどのリスクもあります。
そこで、災害に強い家を建てるということもとても大切な対策です。
家を建てる際にどのような対策ができるのでしょうか。
<地盤の強い場所に家を建てる>
まず、家を建てる際は地盤の強い場所を選ぶことはとても大切な対策です。
地盤が違うだけで「揺れにくさ」は大きく変わり、たとえば阪神大震災での死因の多くを占めた圧死も、地盤を揺れにくさを考慮するだけでそのリスクを軽減することができます。
地盤を調べるためには、国土交通省の「重ねるハザードマップ」が便利です。
宅地造成地など地盤が十分に固まってない場所は地盤が弱く、低地にあると周囲から水が集まりやすくなるなどのリスクもあります。
もし判断に悩む場合は、プロに相談してみるのも良いでしょう。
<強い構造の家を建てる>
地盤だけでなく、倒壊しにくい強い構造の家を建てることも対策の一つです。
家の構造としては、複雑な形ではなくシンプルな長方形がもっとも耐震に強いといわれています。
また、都市型住宅で多い、ガレージなど上に建物があるのに下には支えるものがない構造の家は、どうしても耐震構造の面では弱くなってしまいます。
屋根なども軽量にするなども、災害対策には良いでしょう。
災害援護資金とともに、災害に強い家についても是非ご参考にしてみてください。
>>9月の行事から見直す防犯防災!効果的な対策や家の選び方は?
まとめ
以上、災害援護資金についてその制度内容や実際の手続きの流れ、そして災害に強い家などについてもご紹介しました。
もしものときに知っているだけでも大きく違うため、是非これを機会に頭に入れておくと万が一の場面で安心です。
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