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- 知っているようで知らない!?押さえておきたい年始回りの意味とマナー
目次
年始回りの意味やマナーを知っていますか?毎年のことだからと深く考えないでいると、気づかずにマナー違反をしてしまっている可能性があります。
せっかく日頃の感謝を伝えるためにおこなっているのですから、正式なルールとマナーを理解し、次の年始には正しい年始回りをしましょう。
今回は、年始回りの意味やマナーなどを詳しくご紹介します。
年始回りの由来とは?いつまでにいくべき?
年始回りについて、「目上の人に新年の挨拶をして回ること」という認識を持つ方は多いはずです。
いつ始まった習わしなのか、年始回りの由来や時期について調べました。
・年始回りの由来
年始回りとは、本来は農村部でおこなわれた「親族が本家に集まって新年の挨拶をする行事」でした。
今となってはピンとこない方も多いかと思いますが、昔は現代よりも分家や本家の上下関係がはっきりとしていました。
時は流れ、江戸時代に入ると商人が得意先に新年の挨拶をする習慣が生まれます。
それが現代にも続き、今では親族だけでなく仲人や上司・お世話になっている相手の家に挨拶をする行事へと変化しました。
近年、家族の形や年末年始の過ごし方は多様化しています。お正月は旅行という家庭も増えたために、年賀状や電話での挨拶のみに簡略化されたりしています。
しかし、年始回りの意味は遥か昔から変わっていません。
忙しい社会人にとって、お世話になっている人やお世話になった人と直接会う機会はなかなか作れないもの。
年始回りを利用して、感謝の気持ちと今後のお付き合いへのお願いをしましょう。お互いに気持ち良く新年を迎えられるはずです。
・年始回りの期間
お世話になっている方だからと、いち早く元旦に挨拶回りを済ませようと思うのは大きな間違いです。
年始回りの期間にはルールがあり、元旦は避けるのが基本です。
また7日までに行うのが一般的ですが、地域によっては10日や15日までの場合もありますのでご注意ください。
事前に連絡をとり、先方の都合の良い時間に伺うのが一番ですが、だいたいは午後の1時~2時に訪問すると良いとされています。
理由は先方にとって最も負担の少ない時間帯であるためです。
朝はゆっくり過ごす家庭が多く、お昼頃の訪問であれば夕飯の用意の前には失礼できます。
ビジネスの場合の年始回りはお互いが年始回りを一斉におこなっておりますので、担当者と約束が取れない場合が多いです。
その場合は名刺に「謹賀新年」や「恭賀新年」と記載して置いていきましょう。
遠方の場合はメールや手紙で代用も可能です。
年始回りは社会人の重要行事!服装や挨拶・お年賀のマナーとは
年始回りが社会人にとって大きな役割であることと、その大まかなルールを紹介しました。
こちらでは更に具体的に説明したいと思います。多くのルールがありますが、どれも難しいことではありませんのでご安心ください。
・年始回りの服装と注意点
年始回りには服装も守るべきマナーの一つです。昔は和服でおこなっていた年始回りですが、現在ではあまり見かけません。
相手が上司であればスーツが一番ですが、オフィスカジュアルに近いような服装でも大丈夫です。女性であればワンピースが無難でしょう。
どちらにしても、清潔感ときちんとした印象を持たれるように心掛けましょう。決して普段の服装ではいけません。
寒い時期ですが、手袋やマフラーなどは外してコートも脱いでから玄関に入りましょう。忘れがちですが大事なマナーです。
年始の第一印象になりますので、しっかりと服装のマナーも守ってください。
・年始回りの事前確認と当日挨拶
先ほどもお伝えしましたが、アポイントを取らずにいくのは失礼です。先方の都合を年末のうちに確認しご都合の良い日時を確認した上で訪問します。
誰しもお正月は家族でゆっくりと過ごしたいもの。なるべく玄関先で済ませ、上がり込んで長居をしたりしないようにしましょう。
年始回りの挨拶は、自分の口で話すものなので無理に難しい言葉を使う必要はありません。
例)
「新年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いたします。心ばかりのものですが、良かったらどうぞお召し上がりください。」
(食べ物以外の場合は内容を変えましょう)
もし、先方の趣味を知っていてお年賀を用意した場合、
「甘いものが好きだと伺っておりましたので、お菓子にさせていただきました。どうぞお召し上がりくださいませ」
などに変えれば、相手への心遣いが伝わりやすくなります。
また、多くの訪問先では室内にお招きいただいたりしますが、基本的にはお断りするのが社会人としてのマナーです。
訪問先も断れられる前提で招く場合もありますので、要注意です。
一番良くないのは長居をすること。もし室内にお招きいただいた場合も早々に退散するようにしましょう。
訪問先に失礼にあたらないよう「車を待たせておりまして」「次に回るところもございまして」などのお断りの言葉を用意しておくと良いです。
なお、子供を連れて年始回りにいくのは良くありません。
本人たちがそう思っていなくても、「お年玉をもらいに来た」と思われてしまいかねないため、なるべく控えましょう。
・お年賀の意味と相場
年始回りのときに、お世話になっている目上の人に用意するギフトのことをお年賀と呼びます。
年末にお歳暮を送っていれば不要との意見もありますが、手ぶらで人の家にお邪魔するのは気が引けます。
そのため、お歳暮のあるなしに関わらずお年賀の準備をしましょう。
ただし、年末にお歳暮を送っている場合には手土産程度で大丈夫ですので、1,000円くらいのものを用意しましょう。
お歳暮を送っていない場合は3,000円~5,000円くらいが相場です。
お年賀を選ぶ際には相手の家族構成や年齢を考慮したギフトを選びます。
貰いものの多い時期ですので、日持ちがするものか、食べもの以外がオススメです。
熨斗(のし)は「外熨斗」で、「何度でも繰り返して良いお祝い」ですので紅白蝶結びにします。表書きは「御年賀」「御年始」が一般的です。
・お年玉について
お年玉は本来目上のものから目下のものに渡すもの。そのため、上司の家に子供がいてもお年玉として現金を渡すのは失礼な行為にあたるため注意しましょう。
現金以外、例えば図書カードなどで代用するのが一般的であり、これならマナー違反になりません。
表書きも「お年玉」ではなく、「お年賀」や「おめでとうございます」にするのも忘れないようにしましょう。
もちろん、親戚の子供には現金で「お年玉」の表書きで大丈夫です。
<金額の相場一覧>
・未就学児 1,000円
・小学校低学年 1,000円~2,000円
・小学校高学年 3,000円
・中学生・高校生 5,000円~
4と9がつく数字は「死」や「苦」を連想させ不吉と言われるので、避けるのも社会人としてのマナーです。
小学生のうちは、4年生以外は学年×1,000円という覚え方もあるようです。せっかく用意するものが失礼にあたらないように、事前に覚えておきましょう。
失礼がないように「お年玉のお札の折り方」や「硬貨の場合」など、お年玉のマナーについて知りたい方はこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
>>お正月のお年玉の意味や由来は?知っておきたいお年玉のマナー
・自分が喪中の場合と相手が喪中の場合の対応
喪中の場合、一回忌を迎えるまではお祝いごとを避けなくてはいけません。
そのため、自分が喪中なら年賀状はもちろん神社への参拝も禁止ですし、年始回りも当然控えます。
お歳暮は問題なく贈って良いというのが一般的なので、感謝の気持ちはお歳暮でお伝えしましょう。
ただし、熨斗紙も喪中対応のものにするのを忘れないでください。
相手が喪中の場合、年始回りではなく寒中見舞いとして7日から立春の2月3日までに予定を伺った上でご挨拶にいきましょう。
新年のお祝いの挨拶はせず「本年もよろしくお願いいたします」のみを伝えます。
なお喪中の対象にあたるのは、配偶者、実父母、実子、祖父母、兄弟姉妹、孫、おじやおば、配偶者の父母、配偶者の兄弟姉妹です。
年始回りの大事なポイント!喜ばれるお年賀を贈ろう
お年賀選びにはルールがあります。そのルールを守らないと、先方を困らせてしまうことになりますので、購入前にしっかり確認しましょう。
・お年賀選びで気をつけること
①相手が普段から好んでいるもの
せっかくならば贈ってよろこばれるものを用意したいところです。また相手にも一番気遣いが伝わりやすいです。
好きな飲み物や食べ物がわかれば一番良いのですが、そこまでは調べるのは少々骨が折れるもの。
ただ「甘いものが好きか、嫌いか」「お酒は飲むか」など、大まかなことだけでもわかれば選ぶものも絞りやすくなりますよ。
なお、お酒が好きだからお酒を贈ろうと思う方もいるでしょうが、好きな銘柄がわからない限りはオススメしません。
②賞味期限が長いものか食べもの以外を選ぶ
年始は貰いものが多く、食べものをいただく機会も多いものです。先方の都合を配慮する上でも賞味期限には注意してください。
1ヶ月以上先の期限のものを選ぶようにするのが無難ですが、難しい場合は別のものを選ぶほうが良いでしょう。
③実用性があり消費できるものにする
自分の趣味や好みのものを贈るのは年賀には適していません。
とくに多くのお年賀をいただくおうちでは困ってしまうので、台所洗剤や食用油の詰め合わせなど、他の人とかぶっても困らないものを贈ると良いでしょう。
・オススメのお年賀
①食べもの
そもそもお菓子には「おめでたい」イメージがありますので、甘いものが好きな方であれば是非お菓子を贈りましょう。賞味期限が長く、小包装のものがオススメです。
具体的には賞味期限が長いものになるとクッキーなどの焼き菓子が主となるので、洋菓子または和菓子など贈り先の年代と好みで選定しましょう。
一方、甘いものが嫌いな方にはお煎餅やおかきの詰め合わせや、コーヒーや紅茶の詰め合わせやなどがオススメです。
贈り先の家族構成を考慮した上で、量が多いものか、少なくて高級なものかを決めましょう。
注意点は、お菓子が好きでも健康面の問題で実はお菓子を摂生していたなどの場合です。食べものを贈る場合は特に、相手の持病やアレルギーなども気にするようにしましょう。
②日用品
日用品の場合は賞味期限を心配する必要がなくなり、消耗品であれば他の方のお年賀とかぶってしまっても問題がありません。
洗濯洗剤・食器洗剤などはセットになっており定番で喜ばれるものです。
・お年賀に避けるべきもの
お年賀には避けなくてはいけないものもあります。
4個・9個入りのものはお年玉同様に不吉な数になりますので贈ってはいけません。
また、訪問先の近くで購入するのも「間に合わせ」感が出てしまうため避けましょう。高価すぎるものも相手を恐縮させてしまいますので、相場は必ず守ることが大切です。
基本的にお年賀は、食べもの・消耗品のように「消えて無くなるもの」が好ましいとされています。
その点を考慮した上で喜ばれるものを選んでみてくださいね。
人のフリみて…年始回りのマナー違反とは
学習不足から、思わぬマナー違反になってしまったお話を紹介します。
年明け早々粗相をしてしまうと、幸先が不安になります。くれぐれも失敗のないように参考にしましょう。
・事前に先方の予定を聞かずに訪問してしまった
年始回りに事前の予定確認が必須であると知りませんでした。突然お伺いしたところ、午前中だったこともあり、みなさままだ寝巻きでとても驚かれてしまいました。
・喪中のお宅で「あけましておめでとうございます」
喪中と知らず、年始回りにおこなった上にお祝いの言葉を言ってしまいました。先方が優しく諭してくれましたが、申し訳なかったです。
・上司に誘われたのでお家に上がり、勧められるままに飲酒して酔っ払い
上司の誘いを断ってはいけないと思いお邪魔したものの、飲み慣れないお酒にすっかり酔っ払ってしまい、眠ってしまったようで気付いたら夜でした。
後ほど聞いたのですが、奥様はとてもご立腹だったようです。今では笑い話にしてもらえていますが、本当に失礼なことをしてしまいました。
・普段の服装で年始回りをしてしまっていた
休日なので、あまり堅苦しい服装も変かなと思い、今までかなりカジュアルな普段の服装で上司の家に年始回りをしていました。
最近になり年始回りの服装のマナーを知って…、今思うと恥ずかしくて仕方ありません。
まとめ
年始回りについて、意外と知らなかったことも多かったのではないでしょうか。
新年のご挨拶を…と思うがあまり、年始回りのマナーをないがしろにしてしまっては、せっかくの心づかいが台無しになってしまいます。
自分も相手も、良い気分で新年を迎えるためにも、最低限のマナーを守って年始回りを気持ちの良い行事にしていきたいものです。
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