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重要事項説明にも追加されたハザードマップの使い方とは?
目次
今回は不動産の購入を検討している方に向けて、重要事項説明での項目に追加された「ハザードマップ」の使い方についてご説明していきます。
ハザードマップとはどのようなものをいうのか、またその見方や種類についてもご紹介していきます。
どのように確認するかも理解したうえで、さまざまな災害リスクに備えておきましょう。
ハザードマップの使い方!そもそもハザードマップとは?
ハザードマップとは国土交通省や自治体によってまとめられた、自然災害のリスクをあらかじめ予見できる資料のことです。
地震や洪水、津波、土砂災害、放射線など、さまざまな自然災害の情報が含まれます。
国土交通省ではそれらを「ハザードマップポータルサイト」として提供しており、誰見たい地域の情報を閲覧可能です。
購入予定の不動産がある地域に関する災害情報を知っておき、事前の対策用としての使い方もできます。
<水害ハザードマップの説明が重要事項説明に追加された>
平成30年7月豪雨や令和元年台風19号など、近年の大規模災害の頻発により水害リスクにまつわる情報が、不動産の契約締結で重要な要素になってきています。
そのため水防法に基づいて作成された「水害ハザードマップ」を活用し、水害リスクにまつわる説明を重要事項説明の際におこなう義務が追加されました。
この宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令は、2020年7月17日に公布され、8月28日から施行となっています。
この説明は不動産の売買、賃貸問わず対象です。
具体的には水害ハザードマップを提示して、対処物件におけるおおむねの位置を示すことになっています。
さらにハザードマップに記載された避難所についてもあわせて、その位置を示すことが望ましいとされています。
対象の建物が浸水想定区域の外にある場合にも、水害リスクがないとは言い切れません。
重要事項説明をしっかり確認しておくとともに、家族など自分たちでもハザードマップを確認するなどして、自然災害のリスクに備えるようにしましょう。
ハザードマップの使い方!見方と種類について
次にハザードマップの使い方や見方、種類についてご紹介していきます。
使い方としては、住んでいる場所に合わせた災害への備えや、実際の避難行動に生かせるように使いましょう。
ハザードマップで閲覧できるのは、たとえば住んでいる地域の災害危険度や避難場所、避難経路などです。
また危険区域の確認や、地形と災害の関係性を知ることもできます。
それらをもとに購入する防災セットや、備蓄品の検討のための使い方ができるのではないでしょうか。
不動産の災害リスクがない物件は資産価値が高いといえますが、すべての災害の可能性がないといった物件は多くありません。
そのため「リスクがない物件を探す」といった使い方ではなく、災害リスクを受け止めて、「万が一の場合に備えて計画や対策」ができるように役立てる使い方が大切です。
その家に住む人々の命と、住宅そのものの両方を守ることにつながります。
<ハザードマップにはどのような種類と使い方があるのか>
ハザードマップは地域によって発生の可能性がある災害ごとに作成されており、種類もさまざまです。
複数ありますが、いくつかピックアップしてご紹介していきます。
<洪水ハザードマップ>
これは大雨などの影響で河川が氾濫し、洪水が発生した場合に被害を受けるおそれのある地域や、被害の程度が表示されています。
想定される浸水の深さによって、床下浸水なのか1階軒下なのか、2階なのかなど自宅付近の被害程度があらかじめ予見できるでしょう。
<内水ハザードマップ>
これは大雨などで内水氾濫が発生した場合に、被害の恐れがある区域や被害の程度が表示されています。
雨量が市街地の雨水処理能力を超えて浸水する現象で、都市型水害とも呼ばれるものです。
<津波ハザードマップ>
津波が陸上に押し寄せた場合の津波の高さ、第一波到達までの時間、浸水域、避難場所と避難経路などを表示しています。
<地震災害ハザードマップ>
これは活断層がどこにあるのか、どのエリアが揺れやすいのかなどを確認できます。
自宅の揺れやすさやどのような揺れが想定されるのかわかるので、不動産の耐震・免震といった対策を検討する使い方にもつながるでしょう。
これら以外にも、土砂災害ハザードマップや火山防災ハザードマップ、高潮ハザードマップなどがあります。
ハザードマップの使い方!どのように確認するの?
最後にハザードマップの使い方と、どのように確認するかをご紹介していきましょう。
国土交通省が提供しているハザードマップには、「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」があります。
「重ねるハザードマップ」は、災害リスク情報などを地図上に重ねて表示できる機能をもっており、「わがまちハザードマップ」は、住んでいる地域の防災情報が確認できるタイプです。
<重ねるハザードマップ>
まずはサイトにアクセスし、見たい地域の住所を入力します。
画面左に表示される洪水に関するボタンをクリックすると、浸水が想定されるエリアがその深さごとに色分けされて表示されます。
色がついているエリアは「洪水浸水想定区域(計画規模)」で、河川整備で基準とする降水量に沿って設定されているものです。
そして河川以外の周囲も含めて想定される、最大の浸水区域を示したものは、「洪水浸水想定区域(想定最大規模)」になっています。
さらにマップ上には非常口のようなアイコンが表示されます。
これは「指定緊急避難場所」として指定されている場所です。
洪水については、2019年6月から「ため池決壊による浸水想定区域」の公開も始まっています。
ほかには道路防災情報に関する情報もあります。
これは自然災害が発生したときに、交通が制限される可能性があるエリアを表示したものです。
土砂崩れや落石などの被害が発生する前に、通行止めなどの規制を実施する「事前通行規制区間」や、大雪時に勾配の大きい坂で立ち往生しやすい場所などで、車両の滞留が発生する前に通行止めをおこなう、「予防的通行規制区間」などが表示されます。
このように国土交通省によって提供されるハザードマップのほかにも、地方自治体からのデータも公開されていますので、これから住む予定の自治体のホームページなどで探してみてはいかがでしょうか。
<紙媒体とウェブ上の両方活用しよう>
ハザードマップは市区町村のウェブサイトのほかにも、紙媒体での発行をしている地域もあります。
市区町村役場で交付してもらえることが多いでしょう。
紙媒体は手元で保管でき、防災セットに備えておくなどの方法で活用が可能です。
インターネットに接続できない環境でも、安心して閲覧できます。
ただし保管したまま長時間経過してしまうと、情報が古くなってしまうデメリットもあるため注意しましょう。
ウェブ上のものでは、常に最新情報が得られます。
また住んでいる地域以外の情報もわかるので、お引っ越しを検討中の方にも活用しやすいでしょう。
またいつでもパソコンやスマートフォンで閲覧できるのもメリットです。
残念ながら国土交通省のハザードマップのアプリ版はありませんが、サイトへのショートカットをホーム画面に設定しておけば、いつでも素早く起動できるのでおすすめです。
災害時にネット接続ができなくなる可能性を考えると、市区町村のホームページにあるPDF版をダウンロードしておくのもよいのではないでしょうか。
まとめ
今回ハザードマップの使い方についてご紹介しました。
不動産売却の重要事項説明に義務付けられるほど、暮らしにおいて災害は身近であり重要な要素です。
万が一の事態に備えて使い方を今一度家族で確認するなど、少しずつ対策を検討していきたいですね。
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