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- 本当にお得?一戸建てのオール電化リフォームについて解説!
目次
資源の乏しい日本では、エネルギーの価格が海外の情勢に大きく左右されてしまいます。
そのため、日々の電気代の支払いには敏感にならざるを得ません。
そんな中、電気代を安く抑えることのできるオール電化へのリフォームを検討されている方が増えています。
オール電化へのリフォームは、割高なLPガスを使用する戸建であれば、電気代の節約効果がさらに上がります。
この記事では、リフォームを検討している方に向けて、オール電化とはそもそも、どういったものなのか、そして、必要な設備やリフォームをすることで、どの程度の電気代になるのかを解説していきます。
オール電化とは?必要な設備もご紹介
オール電化とは調理や空調、給湯など、生活に必要な設備の動力すべてを電力に一本化して賄うことを指します。
具体的にはガスコンロをIHクッキングヒーターへ、ガス給湯器を電気温水器やエコキュートへ、石油ファンヒーターを床暖房や蓄熱暖房機へ切り替えることでオール電化にすることができます。
オール電化ってどうなの?メリットとデメリットを徹底解説!
https://www.ielove.co.jp/column/contents/01288/
オール電化に必要な設備①:IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターは電気の力で磁力線を発生させ、金属でできた鍋やフライパンに磁力線が伝わるときに発生するジュール熱を利用した調理器具です。
よく勘違いされますが、実は本体が熱を発することはなく、熱を持った鍋やフライパンなどから熱が伝わることで本体も熱を帯びます。
このような仕組みのため、使用できる器具に制限があります。
IHクッキングヒーターでは銅やアルミ、ガラスや陶器なででできた電気抵抗の少ない器具はそもそも熱が発生しないため使用することができません。
事前にIH対応かどうかを確認しておくと良いでしょう。
ちなみにIHクッキングヒーターの火力はガスコンロと比べても見劣りすることはありません。
むしろ、火を使わない分、安全に使えたり、調理面がフラットなガラス素材となっているため、お手入れがしやすいため、大きなメリットと言えます。
オール電化に必要な設備②エコキュート
エコキュートの正式名称は(自然冷媒ヒートポンプ給湯器)です。
つまり、自然に手に入る冷媒(二酸化炭素)を圧縮することで熱を発生させてお湯を沸かします。
ガス給湯器のように火を使わないため安全に使える点や、燃焼による二酸化炭素が発生しない点などが特徴的ですが、最大のメリットは光熱費を大きく削減できる点にあります。
電力供給各社では使用量の少ない深夜の時間帯において、電気量を安く設定したプランを用意しています。
エコキュートはこのプランを活用した給湯器です。
電力供給会社により多少ばらつきはありますが、23時~翌7時までの深夜電力を使いお湯を沸かし、タンクに貯めておき、日中にそのお湯を使うことで通常時よりも3~4割ほどの電気料金が削減できます。
しかし、貯めておけるタンクの大きさには限界があるため、お湯に使用量が極端に多くなってしまうとお湯切れを起こしてしまいます。
また、ガス給湯器は火力を使い瞬間的にお湯を沸かすため、水道の圧力をそのまま使います。
一方、エコキュートはタンクに溜まったお湯を使うため、ガス給湯器に比べ水圧が弱くなってしまいます。
そのため、エコキュートを導入する場合には、家族の人数に合わせたタンク容量や水圧の落ちない機種やシャワーヘッドを選ぶなど、それぞれのご家庭に最適なものを選ぶことが重要です。
電気温水器とエコキュートの違いを解説
オール電化へのリフォームをおこなうためには、ガス給湯器を電気温水器もしくはエコキュートへ切り替える必要があります。
これらはどちらも電気の力でお湯を沸かす給湯器ですが、その沸かし方に違いがあります。
ここでは、それぞれの特徴と違いを見ていきます。
電気温水器の特徴
電気温水器は、水を貯めたタンク内に設置されたヒーターを電気の力で熱してお湯を沸かします。
そのため、本体はタンクのサイズとなるため、限られたスペースに設置することができます。
それに加え、本体価格や設置工事費用が安く、両方含めても60~70万円ほどしか掛からず、比較的、気軽に設置することが可能です。
しかし、お湯を沸かす動力として電力のみを使っていることから、エコキュートに比べ、電気代が割高となってしまいます。
深夜電力を使うプランを契約したとしても、エコキュートの3~4倍の電気代が掛かってしまう点には注意が必要です。
エコキュートの特徴
一方、エコキュートは前述のとおり、お湯を沸かすためではなく、冷媒を圧縮するために電力を使用します。
電気代を安く抑えることができる反面、タンクユニットの他にヒートポンプユニットの設置が必要となるため、電気温水器よりも大きな設置スペースが必要です。
また、本体価格と設置費用も高くなり、両方合わせて約100~115万円ほど必要となってしまいます。
ただし、エコキュートの中にもスリムな省スペースモデルや安価なモデルなども販売されているので、事前にシミュレーションしてみることをおすすめします。
戸建のオール電化リフォームで電気代はいくら安くなるのか?
ある程度、設備への導入コストが必要になるオール電化リフォームですが、実際のところ、電気代はいくら安くなるのでしょうか?
ここでは具体的に電気代がいくらになるのか、さらに安くすることはできないのかという点を見ていきます。
オール電化リフォームで電気代はいくら安くなる?
電力自由化に伴い、契約する電力会社や契約プランによっても異なりますが、オール電化に切り替えることで光熱費が安くなります。
特にLPガスを使っている一戸建てにお住まいの家庭ではその効果は顕著に現れます。
ご家族の人数が2~4人の一般的な家庭で比較してみます。
ガスと電気を使っている場合、年間の光熱費は約18~25万円ほどになります。
一方、同じ家族がオール電化で合った場合、光熱費は約15~18万円ほどになるため、年間3~7万円ほど光熱費の節約になります。
しかしこの程度の差では設備の導入や維持コストを回収するのに15~20年ほどの時間が必要なため、長い目で見れば悪くないという程度です。
そこで、オール電化リフォームと一緒に検討したいのが太陽光発電の併用です。
そもそも、オール電化では安価な深夜電力を活用することで電気代を安く抑えるという仕組みです。
しかし、このプランは日中の電気料金が割高になってしまう側面もあります。
このような特徴のあるオール電化は、太陽光の力で日中に発電をしてくれる太陽光発電ととても相性が良いと言えます。
日中の割高な電気は太陽光で補い、発電量によっては深夜の電気分も賄うことができ、売電することで副収入を得られる場合もあります。
忘れてはいけない維持費
オール電化に限ったことではありませんが、各種設備には維持費や修繕費が必要です。
エコキュートは3年に1度、太陽光パネルの場合は4年に1度の点検が必要で、都度、1~2万円ほどの費用が必要となります。
また、太陽光パネルは表面が汚れていくと発電効率が悪くなってしまうため、定期的な清掃が必要となり、これも必要な維持費となる点は事前に留意しておきましょう。
しかし、これらの維持費は売電によって十分に回収できる見込みがあります。
また、自治体によってはオール電化や太陽光発電の設備導入などに助成金を設定していることもあります。
事前に調べてみることをおすすめします。
まとめ
じわじわと上がっていく光熱費は安く抑えるのに越したことはありません。
その対策としてオール電化リフォームは良い選択肢です。
特に割高なLPガスを使用している戸建の方はすぐに検討してもらいたい対策です。
しかし、導入には相応の費用負担が必要となってしまいます。
導入にはご家庭での月々の電気代や設備設置に必要なスペースの有無、自治体の助成制度などを総合的に勘案して検討するようにしましょう。
事前にシミュレーションすることで電気代を賢く節約しましょう。
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Writer この記事を書いた人
- いえらぶコラム編集部
- 不動産業界・賃貸物件に関する広報活動を行いながら、現在はいえらぶGROUPのライターとして活動中。おもに、不動産・賃貸物件・税金・片付け・車といった暮らしに関わる記事を執筆しています。