- いえらぶ暮らしコラム>
- 暮らし>
- これまでの定説が覆る!?入浴中の事故原因は8割が“熱中症”
暮らし
これまでの定説が覆る!?入浴中の事故原因は8割が“熱中症”
目次
入浴中の事故原因の筆頭にあげられる「ヒートショック」。
とくに高齢者はヒートショックの危険性が高いといわれており、実際に入浴時に事故にあった方も少なくありません。
しかし2019年7月、高齢者の入浴中の事故の8割以上は"熱中症(疑いも含む)"が原因で、ヒートショックによるものは約1割という調査結果が発表されました。
今回は、発表された調査結果に加え、お風呂で起きる熱中症(浴室内熱中症)とヒートショックの予防方法をご紹介します。
入浴時の事故はヒートショックではなかった…事故の8割は「熱中症」
ヒートショックは、血圧が大きく変動することで体に不調をきたす症状のこと。
暖かい部屋から温度の低い浴室へ移動する、体が冷えているのに熱いシャワーを浴びるなど、急激な温度変化によって引き起こされます。
そのため、長年、入浴中の事故はヒートショックによるものだと思われてきました。
しかし2019年7月7日(日)、千葉科学大学教授・黒木尚長(ひさなが)氏により、入浴中の事故の8割はヒートショックではなく、「熱中症」が原因との調査結果が発表されました。
黒木氏は、65歳以上の男女3,000人に対してアンケート調査を実施しました。
それによると、入浴中に体調を崩した方10.8%のうち、熱中症および熱中症の疑いがある方が84.2%、ヒートショックが7.1%、その他・不明が8.7%と判明しました。
お湯の温度や、お湯につかる時間にもよりますが、全身浴をすると体温が40度まで達するため、意識障害をともなう重度の熱中症に陥るリスクが高まります。
仮に体温が42.5度を超えると突然死することもあるのですが、高齢者は熱さを感じにくく、また長時間お風呂に入る傾向があることから、知らぬ間に熱中症になってしまうのだそうです。
浴室内の事故というと、ヒートショックにばかり目が行きがちですが、熱中症のリスクがあることも忘れてはいけません。
入浴時の事故リスクを軽減!熱中症の原因と予防方法
お風呂に入っているときに気分が悪くなったら、それは熱中症のサインかもしれません。
とくに夏場は熱中症のリスクが高まるので、原因と予防方法を押さえておきましょう。
・熱中症の原因
熱中症は、体温調節の乱れによって引き起こされる症状のことです。
高温多湿の環境では、体内の水分量と塩分量のバランスが崩れてしまいます。
そうなると体の熱を逃がすことができずに、気分が悪くなったり、立ちくらみが起きやすくなったりします。
浴室内は気密性が高く、高温多湿になりやすいため、熱中症のリスクが高いといえるのです。
・浴室内熱中症の予防方法
浴室内はよく換気し、高温多湿にならないように注意することが大切です。
換気扇をつけたり、窓を開けたりして、熱気や湿気がこもらないようにしましょう。
夏でも湯船につかる方は多いため、「お湯をぬるめにする」「こまめに水分補給を行う」などの対策を講じることも大切です。
なお、水分補給にはミネラル入りの麦茶がおすすめです。
コップ1杯(約200ml)~500mlほどを目安に水分補給を行いましょう。
夏もヒートショックになる!原因と予防方法
入浴中の事故原因の8割が熱中症だということですが、だからといってヒートショックにならないわけではありません。
条件さえ揃えば夏もヒートショックになりえるので、まずは原因を知り、予防方法を実践しましょう。
・夏のヒートショックの原因
暑さが厳しい夏は、エアコンをフル稼働しているという方も少なくありません。
設定温度にもよりますが、人によっては温度差が10度近くになっていることもあり、体には相当の負担がかかります。
太陽がギラギラと照り付ける炎天下から室内に入ったり、汗を流そうと冷水を浴びたり、冷房で冷えているのに暑いシャワーを浴びたりすると、夏でもヒートショックが起きる可能性があるのです。
・夏のヒートショックの予防方法
入浴時は、シャワーや湯船の温度設定に気をつけてください。
冷水を急に浴びると心臓に負担がかかるため、どんなに暑くてもやめましょう。
30度ほどのぬるま湯を、手先や足先などの先端から心臓に向けてゆっくりかけるのがポイントです。
また、お風呂に入る前にお酒を飲むと血圧が急激にあがるため注意しましょう。
夏はビールがおいしい季節なので、1杯飲んでからシャワーを浴びたいという方もいるかもしれません。
しかし、飲酒後にお風呂に入ると入浴時の事故を招きかねません。
お風呂に入った後に飲むか、酔いを覚ましてからお風呂に入るようにしましょう。
まとめ
長年、浴室内の事故はヒートショックによるものと思われてきましたが、黒木氏の調査により熱中症の可能性が極めて高いという結果が明らかになりました。
これまで、「夏場はヒートショックにならないから大丈夫だろう」と考えていた方も少なくないはずです。
しかし、浴室内の事故の原因が熱中症であるなら夏場は大変危険ですし、夏でもヒートショックになる可能性があるため、季節に惑わされることなく対策を講じることが大切です。
熱中症やヒートショックのリスクは高齢者が高いですが、若い方でも起きる可能性は十分にあります。
浴室内での事故を防ぐためにも、ぜひ上記の対策方法を実践してみてください。
いえらぶでは物件や不動産会社の口コミを見て比較できます。
よりクリアな情報から、あなたにぴったりの
いい家を選んでみませんか?
お部屋を探す
バス・トイレ別の物件検索画面へ