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オール電化ってどうなの?メリットとデメリットを徹底解説!
目次
2016年4月に電力自由化がスタートしてから、4年が経過しました。
この間に、契約電力会社の切り替えや、オール電化へのリフォームを検討・もしくは実際に行ったという方も多いのではないでしょうか。
今回は改めてオール電化のメリット・デメリットなどについてご紹介いたします。
今一度、オール電化について家族で考えてみるとよいでしょう。
オール電化とは?
オール電化とは、給湯・暖房・調理といった家庭での熱源をすべて電気でまかなうシステムです。
オール電化と聞くと、フラットな天板のIHクッキングヒーターを思い浮かべる方も多いと思いますが、オール電化は調理だけではありません。
給湯は、ガスではなく「エコキュート」とよばれるの温水器などを使い、暖房も電気ストーブや床暖房、蓄熱式電気暖房機などが使われています。
オール電化が登場しと1980年代当時は、光熱といえば電気とガスで賄うのが当たり前で、一般家庭への普及率はあまり高くありませんでした。
ですが、エコに対する意識の高まりや、長寿命で消費電力量が少ないLED電球が登場したことなどから、効率よく電気を使いたいと考える方がだんだんと増えていきました。
さらに、IHクッキングヒーターやエコキュートといったオール電化に関連した機器の開発・販売や、火を使わずに調理ができるといったメリットにも注目が集まり、それに対応した調理器具も増えました。
こうしてオール電化は徐々に一般家庭へも普及していったのです。
順調に普及したように思われたオール電化ですが、2011年の東日本大震災のときに、「停電したら熱源に困るのでは」という考えが広まりました。
また、各地域の電気料金の値上げなどもあり、家中の光熱をすべて電気で賄うオール電化は伸び悩むようになりました。
しかし、改めてオール電化のメリットなどが見直されたことや、電力自由化の影響もあり、伸び悩んでいたオール電化の需要も再び拡大しつつあります。
現在では、賃貸物件や、分譲の建売住宅や中古マンションでもオール電化仕様になっている物件が増え、ひとつのセールスポイントになっています。
オール電化はどのくらい普及している?
では、オール電化は実際にどのくらい普及しているのでしょうか。
2016年頃までは減少傾向にあったオール電化ですが、2017年以降は右肩上がりになり、2025年度にはオール電化の普及数は1,000万戸を超えることが予想されています。
普及率としては日本の世帯全体の約20%にあたります。
また、経済産業省資源エネルギー庁の調査においても、日本の世帯における電気消費量は1965年度から2014年度にかけて倍以上にも増大しているとの結果が報告されています。
こうした背景には、オール電化の存在も理由のひとつとして推測できるでしょう。
地域別で見たオール電化の普及率
先述の項目では、日本全体の世帯数におけるオール電化の普及率についてお話しましたが、オール電化の普及率を地域別で見てみると、意外とばらつきがあるようです。
東京電力が2010年に発表した資料によると、2009年時点での日本各地のオール電化普及率は、トップが北陸エリアの17.5%で、最下位は沖縄エリアの4.0%とのことでした。
北陸エリアは全国と比較しても電気代が安いことで有名です。
また一戸建ての持ち家の比率も高く、マンションなどに比べてオール電化を導入しやすいことなどが、オール電化普及率の向上に?がっているのではないかと考えられます。
冬の寒さが非常に厳しい北陸地方は、石油ストーブなどの化石燃料を使用する機会も多いエリアですが、石油価格の高騰などから電気を利用した暖房器具へ切り替える世帯が増えたことも理由のひとつかもしれません。
反対に、沖縄の普及率が低いのは、台風が多く停電による熱電のストップが心配されていることが考えられます。
オール電化のメリット・デメリット
続いて、オール電化のメリット・デメリットについてまとめてみましょう。
<オール電化のメリット>
・ガス代がかからず、光熱費を一本化できる
ガス併用住宅の場合は、ガス・電気それぞれに基本使用料がかかりますが、オール電化の場合は電気の基本使用料のみとなるので、基本使用料を一本化できるぶん節約ができます。
・安い深夜電力を利用できるため電気代が節約できる
・大規模な自然災害の発生時も復旧が早い
地震などの災害時、電気・ガス・水道のなかでも電気の復旧が一番早いとされています。
・災害時は給湯器で貯めた水やお湯を生活用水として利用できる
エコキュートや電気温水器の中には貯水タンクがあり、そのまま飲むことはできませんが、その水を震災時の生活用水として使用することができます。
・IHコンロのお手入れが楽
・住宅内に熱源を持たないので安全
ガスのように住宅内に熱源を引き込まないため、ガス漏れや不完全燃焼での一酸化炭素中毒の心配がありません。
また、火を使用しないため、ガスよりも火災に対する安全性が高いとされています。
・室内の空気が汚れない
ガスの場合は室内に二酸化炭素を増加させますが、IHクッキングヒーターは室内の空気を汚しません。
<オール電化のデメリット>
・昼間の電気代が高くなる
オール電化住宅向けの料金プランは、深夜電力をより安く提供する代わりに昼間の電気代は比較的高く設定されています。
・調理器具が限定される
IHクッキングヒーターではIH用の調理器具しか利用できないため、ガスに比べて使える調理器具は限定されます。
・停電時に困る
オール電化住宅は、停電になると生活の手段が塞がれてしまいますので、いざという時に備えて、電気がなくても使用できるストーブや携帯式のガスコンロなどを用意しておくといいでしょう。
・初期費用が高額
ガスコンロやガス給湯器と比べて、IHクッキングヒーターやエコキュート、電気温水器は導入コストが高くつきます。
また、保証期間が過ぎた後は修理代金や買い替え費用がかかるということも忘れてはいけません。
・調理時の火力への不満
IHクッキングヒーターは直接炎が出ないため、ガスコンロに慣れた方にとっては、調理がしづらいなど不満を覚える方もいます。
・設置スペースの確保
エコキュートや蓄熱暖房機などは大きさも重さもあるため、設置場所の確保、設置場所の補強が必要です。
・衛生面の問題
その場でお湯を沸かすガス給湯器と比べ、温水器は一度沸かしてからタンクに貯水するため、法的な飲用水の基準を外れることになり、ほとんどのメーカーでお湯はそのまま飲料水にしないように注意しています。
・IHクッキングヒーターの電磁波問題
IHクッキングヒーターは、ICNIPR(国際非電離放射線防護委員会)のガイドラインに沿っており、安全基準を満たしていますが、実際に電磁波を放出しているのは確かなため、人体への影響を指摘・問題視する方もいます。
・アパートやマンションなどは、オール電化へのリフォームが不可
アパートやマンションなどの集合住宅の場合、建物の構造上オール電化非対応の物件を一部屋だけオール電化対応へリフォームすることはできません。
不動産会社も参入する電力事業
これまでの電気は、各地域を管轄する電力会社が一手を担って供給し続けてきました。
ですが、電力自由化により、電気とは全く関係がなかった事業者も続々と電気事業に参入してきました。
新規で参入した事業者のなかには、携帯電話会社やガス会社・鉄道会社などがあり、それぞれが、元々提供していたサービスプランと組み合わせることで、よりお得に電気やその他サービスを利用できるというメリットを掲げています。
また、電気事業に参入し、自社の管理物件でその電力を販売する不動産業者もあるそうです。
自社で販売する電気を、地域を管轄する電力会社の料金より数パーセント安く設定することで、入居者の方にとって切り替えるメリットがあることをアピールしています。
このように、電力自由化によって各家庭や集合住宅単位で一番メリットのある電気事業者を自ら選択し、その事業者と契約することで、毎月の家計の節約や見直しができるようになりました。
電力自由化で電気を買う時代から作る時代へ
オール電化の住宅にするために欠かせない設備といえば、太陽光発電パネルです。
昔は高額だった太陽光発電パネルも、電力自由化やオール電化の普及に伴い手の届く価格帯となり、設置するご家庭が増えました。
太陽光発電パネルを利用して発電した電気は、家中のあらゆる製品や設備の動力源として活用されており、さらに近年はご家庭で生産して余った電気を電気事業者へ売却することも可能になりました。
売却できるといってもそこまで高い金額ではありませんが、これまで支払う一方だった電気代の節約につながるだけでなく、利益を生み出すことができるようになるのは大きな魅力だといえるでしょう。
まとめ
現在は地域別で普及率にばらつきがあるオール電化ですが、今後は太陽光発電パネルがより手が届きやすい価格になって購入する世帯が増えるかもしれません。
また自家発電によって余った電気を電気事業者へ売却することがさらに一般的になれば、今以上にオール電化の普及率も高くなるでしょう。
一戸建てだけでなく、アパートやマンションでオール電化機器や太陽光発電パネルを導入する物件が増えると、オール電化対応を希望する方の選択肢も広がりますね。
現在賃貸物件をお探しの方も、そうした点に着目してオール電化対応の賃貸物件を探してみてはいかがでしょうか。
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