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マンションにエレベーターは必要?不要?メリット・デメリットを解説

辻村 美咲

カラフルな階段

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近年、ほとんどのマンションにエレベーターが設置されていますが、あえてエレベーターがないマンションに住むメリットはあるのでしょうか。

今回は、マンションをお探しの方に向けて、エレベーターが設置されていないマンションで暮らすメリット・デメリットなどをご紹介します。

あり・なしは誰が決める?マンションにエレベーターを設置する基準


同じ階数のマンションでも、エレベーターありとなしの建物がありますよね。

実は、「〇階以上の建物にはエレベーターを設置しなくてはならない」という具体的な基準はありません。

というのも、建築基準法では「高さ31mをこえる建築物※には、非常用の昇降機を設けなければならない」と定められていますが、ここでいう昇降機(エレベーター)はあくまでも火事などの非常用と規定されています。

また設置義務に関しても、階数ではなく"建物の高さ"が基準になるとのこと。

マンションと一口に言っても1階ごとの天井高は異なり、「〇階以上」と厳密に決めることは難しいため、エレベーターがあるマンションとないマンションが混在しているというわけです。

その一方で、6階以上の建物にエレベーターを設置するよう義務付けている自治体は少なくありません。

これは建築基準法や消防法ではなく、旧建設省の定めた「長寿社会対応住宅設計指針」によって決められていることだそう。

指針には下記の旨が記載されています。

・6階以上の高層住宅にはエレベーターを設置すること

・3~5階の中層住宅にも、できるかぎりエレベーターを設けること

あくまでも指針なので法的拘束力はありませんが、これを基に条例を決めている自治体も多いことから、指針が定められた95年以降に建てられた6階以上のマンションはエレベーターの設置率が高い傾向にあります。

なお、自治体によっては階数を6階ではなく5階としているところもあるので、詳しく知りたい方は市役所などで確認してみてくださいね。

※9~10階建ての建物の高さに該当

※政令で定めるものを除く

エレベーターなしのマンションで暮らす3つのメリット


エレベーターがあるマンションのメリットはイメージできても、エレベーターがないマンションのメリットは想像できないという方もいるかもしれません。

エレベーターがないからこそ得られるメリットは、以下の通りです。

・家賃が安い傾向にある

エレベーターがないマンションは、家賃が安い傾向にあります。

通常、エレベーターがあるマンションの場合、エレベーターの管理・点検のための費用が家賃に加算されています(管理費の相場は家賃の5%~10%)。

しかし、エレベーターがないマンションだと、そもそもエレベーターの管理や点検を行う必要がないため、その分、家賃が安くなるのです。

特に上階は、家賃がより安く設定されているケースがほとんど。

というのも、エレベーターがないマンションは移動手段が必然的に階段になるため、その大変さから多くの方が上階に住むのを敬遠してしまいがちです。

こうした状況を危惧し、できるだけ避けたいと考えている大家さんの場合、「ずっと空室になるよりは…」と家賃を下げるケースが少なくありません。

・運動不足の解消になる

エレベーターがないマンションは不便ではありますが、その一方で運動不足の解消につながるというメリットがあります。

エレベーターと階段だと、前者を利用する方が圧倒的に多いのではないでしょうか。

現代人はエレベーターやエスカレーター、車、自転車など便利なものに頼りがちで、慢性的な運動不足に陥っている方も少なくありません。

毎日の歩数が少ないと筋力低下を招きますし、当然ながら健康にも良い影響を与えないでしょう。

エレベーターがないと嫌でも階段の上り下りをしなくてはならず、必然的に足腰が鍛えられるため、運動不足の解消と健康維持に役立ちます。

・防犯も期待できる

空き巣は侵入時と逃走時に時間がかかることを嫌う傾向にあるため、エレベーターがないマンションは防犯面でも期待できます。

エレベーターがないと階段の上り下りに体力を奪われますし、移動手段が階段だけだと他の住民とすれ違う可能性が高くなるため、人目に触れたくない方にとっては避けたい状況でしょう。

とはいえ、絶対に空き巣に狙われないわけではありません。

近年は空き巣の手口も大胆になっていますし、高層階であっても屋上からロープを吊るして侵入しようとする空き巣もいるようです。

玄関ドアや窓、ベランダなどの出入り口の施錠をしっかり行うのはもちろん、補助錠を設置したり、窓に防犯フィルムを貼ったりと、様々な防犯グッズを活用してセキュリティの底上げを行いましょう。

エレベーターなしのマンションで暮らす3つのデメリット


エレベーターがないマンションに住む場合は、メリットだけでなく、以下のデメリットも把握しておくことが大切です。

・移動手段が階段だけしかない

前述したように、エレベーターがないマンションでは、移動手段は階段だけです。

そのため、「朝のゴミ出しが一苦労」「買い物袋など重い荷物を持ちながらの移動が大変」など、人によっては階段の上り下りがつらいと感じる方もいます。

また、階段が狭いとマンション内の住民とすれ違うだけでも気を使いますし、中には精神的に気まずく感じる方もいるかもしれません。

・引っ越しの際に追加料金や荷物の運搬に注意が必要

仮にエレベーターなしのマンションへ引っ越す場合、業者によっては部屋の階数が増えるごとに1,000~2,000円ほど追加料金が発生することがあります。

特に大きな荷物や家具を運ぶ際、階段を使うとなれば時間や人員を補う必要があるため、当然ですがかかる費用はさらに増えます。

さらに、荷物の運搬時は階段の踊り場に大型の荷物が引っかかる可能性があるため、事前に搬送ルートを確認するなど対策が必要です。

・怪我をしたときや妊娠時の移動が大変

怪我人や腰痛持ちの方、妊婦さんは、エレベーターがないとつらいでしょう。

特に妊婦さんは安定期に入るまで油断できませんし、安定期に入ってからもお腹が大きくなる分、足腰の疲労が蓄積するなど、体への負担が大きくなります。

さらに、子どもが生まれてからもベビーカーの持ち運びで大変な思いをしたり、子どもが階段の上り下りで転んでしまったりという可能性もあるので、体力的にも精神的にも疲れてしまうかもしれません。

エレベーターなしのマンションがおすすめなのはこんな人


エレベーターなしのマンションには、様々なメリット・デメリットがありましたね。

それらを踏まえた上で、以下にあてはまる方はエレベーターがないマンションに向いていると言えるでしょう。

・家賃をできるだけ抑えたい

・体力に自信があり体を動かすことが好き(苦に感じない)

・家で仕事をしており、あまり外出しない

・普段の買い物も通販・宅配を利用している

・独身(結婚や子どもの予定はまだ先と考えている)

まとめ

ご紹介したように、エレベーターがないマンションにはいくつかのメリット・デメリットがあります。

マンションをお探しの方は、それらを踏まえた上で、マンションに求める優先順位を洗い出しながら物件探しを進めることが大切です。

不動産会社に相談しながら、納得できる快適な住まいを探してみてくださいね。

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Writer この記事を書いた人

辻村 美咲
結婚・出産を機に、広報担当の会社員からフリーのライターに転身。最近の楽しみは、娘と一緒に通っている英会話教室。日本語だけではなく、いつか外国語でも情報を発信したい。美容、健康、観光など、いろいろなジャンルの記事を執筆しています。
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