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- マンションでの民泊の始め方 初心者向けに種類やトラブル対処法も紹介
目次
民泊という言葉をご存知でしょうか。
今民泊は、とても注目されているのでご存知の方も多いかと思います。
しかし、それと同時にトラブルが多くあると話題になっているのも事実です。
今回は民泊とはどんなものか?
どのようなトラブルがあるのか?
についてお話したいと思います。
民泊とは
民泊とは、一般の民家に泊まることを言います。
宿泊用に提供された自宅の一部や全部、また空き別荘、マンションの一室などを有償で貸し出すことです。
昔は、ほとんど無償で行われていたそうです。
現在のように交通設備や宿泊設備が万全に整ってなかった時代は、無償で知らない人に食事を提供したり、泊めてあげたりすることは珍しくなかったのです。
これは提供する側の善意ですね。
しかし時代は変わって、旅の途中の人を家に泊めてあげることがほとんどなくなり、都会に住む人が農家や農漁の体験するため「農家民宿」のような体験型の宿泊を「民泊」と呼ぶようになっていきました。
さらに、ここ数年で個人間での部屋の貸し借りを仲介するインターネットサービスが急激しており、民泊という意味そのものが大きく変わってきています。
「民泊」という言葉には法律上の定義は特にありません。
先程お話したように現在の「民泊」とは、宿泊用に提供された物件を有償で貸し出すことです。
日本では個人が自宅の空いている部屋を貸し出す小規模なものから、不動産を扱う企業が外国人向けに建てた宿泊施設もあります。
この幅広い宿泊サービスが民泊と呼ばれています。
海外では「バケーションレンタル」「ホームシェアリング」といった表現がされており、企業によって使用する言葉も変わってきます。
民泊と民宿の違い
民泊の意味は分かりましたが、似ている言葉に民宿というのがあります。
民宿と民泊では一体何が違うのでしょうか。
民宿も、宿泊用に提供された自宅や部屋を貸すことなので基本的には一緒だと感じます。
民宿は、旅館業法第2条第4項の「簡易宿所営業」にこのように記載されています。
「宿泊する場所を多数人で共用する構造および設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のもの」をいいます。
営業するのであれば、都道府県知事の許可を受けなければなりません。
無許可営業をすると、6か月以下の懲役または3万円以下の罰金に処せられます。
一方、民泊とは民間の家庭に泊まることをいいます。
あなたの友人をあなたの家に泊めるように、無償なら違法になりません。
正規の宿泊施設が不足しているときに、一時的に一般家庭で旅行者を有償で受け入れることも民泊になります。
民泊が注目されている理由
日本では、民泊が新たな成長要因の一つとして不動産業や旅行業界、IT・小売業界などのあらゆる業界から多くの注目を集めています。
投資家も民泊に関わるサービスを行う企業に対して、成長性を見込んで注目を続けています。
また、政府自体も民泊市場の拡大に向けてさまざまな法規制の整備を進めています。
なぜ民泊は、あらゆる方面から注目されているのでしょうか。
・外国人観光客の増加
日本政府は経済成長の一つとして「観光立国」を推進しています。
2020年までに訪日外国人観光客数を4,000万人、2030年までに6,000万人まで増加させる目標があります。
この目標達成のために、ビザの緩和などさまざまな政策を進めています。
この結果、最近の訪日外国人旅行者数は、約2400万人になってきています。
10年前に比べると約3倍になっており、外国人観光客が急激に増えています。
・宿泊施設の不足問題
上でお話しましたが、これだけ外国人観光客が増えると、今ある宿泊施設だけでは対応できない問題がでてきます。
ホテルなどは投資金額も高く、建設する条件も厳しく、また建設期間も長くなるために、すぐにホテルを増やすことは不可能です。
また外国人観光客の増加に対して、東京や大阪などの主要なホテルの稼働率はピーク時には80%~90%台まで高まります。
それに伴い客室単価は上昇していきます。
この急速に増加し続ける需要に対応できるとして、期待されているのが民泊なのです。
・空き家問題の解決
民泊は外国人観光客の宿泊施設不足の対応だけではなく、日本が抱える社会課題の一つである「空き家問題」の解消にも期待されています。
そして、地方創生を実現する一つの手段とも考えられています。
総務省のデータによると、日本の総住宅数約6,063万戸のうち、空き家数は820万戸と以前と比べると約8.3%増加しています。
現在、日本全体の空き家率は約13.5%と過去最高レベルになっているのです。
今日本は人口減少も進んでおり、空き家問題は深刻な問題です。
空き家を減らす方法として、住む人を見つける・増やすことですが、日本の人口を短期間に増やせる可能性は低いでしょう。
そこで空き家をリフォーム・リノベーションして宿泊施設に活用する方法が期待されているのです。
そして海外から来る観光客に、日本滞在時の宿泊施設としてリフォームした空き家を利用してもらうことで、空き家問題が解決され不動産価値が保てます。
この流れを作れば、空き家問題がある地方部の地域活性化にも繋がってくるわけです。
民泊の法制化
今は外国人観光客が急増し、宿泊施設も必要になってきている時代です。
また空き家も多く存在することから、民泊が注目されています。
そこでもっと民泊を取り入れやすいように、政府は現状の旅館業法の規制を緩和しました。
2014年にアパートやマンションの空室を、民泊として利用する国家戦略特別区域の制定に乗り出したようです。
現在は大阪府と東京都大田区が認定されています。
しかし民泊が制度化されたとしても、許可を取らずに自宅を民泊するのは違法です。
原則として利用者の募集には行政の許可や届出が必要となります。
マンションの民泊の始め方
民泊には、主に3つの形態があります。それぞれについて、以下で詳しく説明します。
1つ目は、ホテルと同じように「旅館業法」という法律の下で運営されている民泊です。旅館業法では、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業の4つに分類されますが、民泊は「簡易宿所営業」に該当します。簡易宿所営業の許可を得ている場合は、ホテルと同様に365日運営でき、オンライン仲介サイトでの集客もできます。このタイプは、外国人観光客が多く利用することが多いため、引っ越し先のマンションが「簡易宿所営業」の許可を得ているかどうかを確認することが重要です。
2つ目は、「特区民泊」です。これは、国家戦略特区に指定された自治体が条例を定め、都道府県知事が認定した施設にのみ、旅館業法の適用除外を受けられるという仕組みです。つまり、民泊規制の緩和を試験的に行うための制度です。旅館業法簡易宿所で許可を受けるよりも認定の手続きが簡易であるため、今後も民泊が増えてくる可能性があります。新しいマンションへ引っ越しの際には、この特区を外すことで民泊トラブルを回避することができます。現在、東京都大田区、大阪市、大阪府内の一部地域、福岡県北九州市などが特区に指定されていますが、多くの都市が参入を計画しているため、不動産会社に問い合わせてみると良いでしょう。
3つ目は、「住宅宿泊事業法(民泊新法)」に基づく民泊です。この法律は2018年6月に施行されました。都道府県知事による認可を受ければ、旅館業法の許認可を受けなくても民泊を運営できますが、営業日数には制限があり、1年間で180日以内となります。引っ越し後でも、所有するマンションの一部屋を民泊として運営することも可能です。ただし、この場合には、住宅宿泊事業法に基づく届出が必要となります。
以上の3つのタイプの中で、自分が始めたい民泊の形態に合わせて、必要な手続きや許可を取得することが重要です。引っ越しの際には、自分が考えている民泊形態がその地域で許可されているか、または特区指定があるかどうかを確認することをおすすめします。また、不動産会社や自治体に相談することで、民泊を始めるために必要な手続きや規制についての情報を入手することができます。
実際に始める手続きの流れをより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
民泊の始め方を徹底紹介!手順と費用は?失敗しないための対策法は?
マンションの民泊問題
今民泊でのマンションのトラブルが多く話題になっているのも事実です。
東京や大阪の都市などで、企業を通して貸し出された部屋にまつわるトラブルが、数多く報告されています。
マンションだけでなく一軒屋でも報告されています。
実際マンション内の住民や自治会などから、民泊に関する行政への苦情や問い合わせの件数は増加しており、保健所などの立ち入り調査も行われています。
調査したところ違反が発覚し、物件オーナーが貸し出しを中止するなどのケースが頻繁に発生しています。
そのため、最近ではマンション貸し出しの場合、管理組合の許可を取ることを規約に明記するマンションが増えています。
それでも、民泊利用者による共用部分の利用や夜間のマナー違反などのトラブルは未だなくなりません。
マンションは、家族構成・性別・職業はもちろん価値観の違う人が共同して同じ建物を利用しています。
特に外国人と日本人だと文化も違うので、食い違いもでてくるでしょう。
旅行者も地元住民も相互が気配りすることがとても重要にもなってきますね。
他にも、民泊トラブルには一体どのようなものがあるのでしょうか。
・借りる人のトラブル
民間会社を利用したマンションや部屋の貸し借りは、基本的に借りる人と貸す人の事前のやりとりが重要になってきます。
日本国内での民泊だと、「同じ日本人だから」「連絡先まで面倒だから」と、確認しなくてはならないことを怠ってしまう場合があります。
そして思わぬトラブルが起きたときに、対処できなくなってしまいます。
実際あったトラブルのお話をします。
1.貸す人と連絡が取れなかった
マンションに限らずあるトラブルです。
事前に会社を通してやり取りをしていましたが、当日になって集合場所に行ったのに全然貸す人が現れず、連絡先も聞いていなかったために、長時間待たされたそうです。
今回は貸す人側にも理由があったようですが、連絡先をしっかり聞いていなかったせいか、時間の食い違いもあったようです。
2.部屋の写真と実物が違った
このお話もマンションに限らずあるトラブルです。
借りる人は、立地も部屋も小奇麗で家具・家電も付いており、わずかな期間でも住みやすそうなので、喜んで手配したそうです。
しかし、実際宿泊地に着いて鍵をもらって部屋の中を見てみると写真とは似つかない部屋でした。
部屋の劣化も激しいものでした。
家具・家電も写真通りのものでしたが、写真よりも使い古された感じでした。
写真は建物が建設されたばかりの頃のもので、ずいぶん古い写真を使用していたようです。
写真が掲載してあるとその情報を鵜呑みにしてしまいそうですが、それは危険です。
気になる方は事前にオーナーに口頭で築年数の確認や、複数のサイトで物件情報を調べるなどが必要でしょう。
3.予約時に聞いていた条件と違った
こちらはマンションでなく、戸建てでのトラブルです。
事前に戸建ての一室を借りる約束をして民泊を決定していました。
しかし、いざ当日になると貸すはずの一室がなくリビングで寝て欲しいと言われたそうです。
リビングだとご家族の団欒の場所であるので、短期間の宿泊でも気を遣ってしまいゆっくりできないですよね。
・貸す人のトラブル
外国人観光客が急増している中、宿泊施設が不足しています。
民泊の利用者は外国人であるケースが増えていますが、外国人は日本人と考え方や生活習慣も違うので、トラブルの原因になることが多いです。
1.文化の違いが原因で起こるトラブル
マンションに限らずあるトラブルです。
マンションや家によってお風呂のスイッチや床暖房のスイッチがある部屋があります。
もちろん英語表記ではなく日本語表記で記載されています。
冬場でない限り使用しないので説明しないでおくと、勝手に押して床が暖かくなったことにパニックに…。
火事だと勘違いし、近隣を巻き込んでの大騒ぎとなったそうです。
床暖房がない国は多くあるので、知らない外国人は急に床が熱くなるとびっくりするかもしれませんね。
生活習慣・文化の違いはマナー面でもよくトラブルにもなります。
特にマンションだと他の人も住んでいるし、共同に使用する部分も出てきます。
共用施設を汚したり、ゴミを出す日にちや出し方でトラブルが起きているようです。
2.犯罪の温床となり得るケースがある
マンションは戸建てと違い、多くの住人が出入りします。
そのせいか、セキュリティ面に限界があります。
しかも利用者が多い部屋の場合不特定多数の人に鍵を渡すために、二重三重のセキュリティがあっても意味をなさないことも。
マンションではないですが、ホテルで毎回同じ部屋を予約していた客が浴室に拳銃を隠していた事件がありました。
ホテルで起きるなら、民泊で使用されているマンションでも可能性がないとは言い切れないでしょう。
これから考えられる事例としては、犯罪の場所として提供される危険性もあります。
これはもう、トラブルではなく事件の域ですね。
3.近隣住民への迷惑
マンションの方が圧倒的に多いトラブルです。
マンションやアパートはホテルの宿泊施設と違い、騒音対策がされていない物件も多いものです。
旅行に来ている高揚感もあり、宿泊者が夜中に騒ぎ近隣住民とのトラブルとなることがあります。
注意をしていても、「うるさい」と感じる感覚は人によって違います。
もちろん外国人と日本人の騒ぐレベルも違います。
仲間を呼んだりして大人数になると余計声も大きくなります。
・海外のトラブル
日本だけでなく、海外での民泊トラブルもあるようです。
1.盗撮トラブル
アメリカでドイツ人カップルがマンションに一泊したときのトラブルです。
宿泊してしばらくしてから、リビングルームの本棚の後ろに取り付けられていた高性能カメラに気付いたそうです。
そこで盗撮されていたことが判明しました。
女性は裸で部屋内を動き回っていたので、その姿全てを撮られていたようです。
恐ろしいですね。
他にもトラブルはさまざまありますが、日本と同様近隣トラブルや事件になるケースも多いようです。
特に異国間だと言葉の問題もあるので、民泊しようとするときは慎重に施設を選びたいものです。
トラブルを防ぐ方法
借りる人より貸す人の方がトラブルも多く、トラブルの内容も大きなものばかりです。
特にマンションなどの近隣住民とのトラブルは処理をするのが大変です。
このトラブルを防ぐにはどのような方法があるのでしょうか。
民泊で自室を貸し出す場合、まず物件の利用方法を事前に利用者側に理解させることが重要です。これによって「使用方法を知らないのでトラブルを起こしてしまった」という状況を防げます。
日本人では知っていて当たり前のことでも、外国人の場合は当たり前ではありません。
「知らないのが当たり前」と考え、物件の利用方法を明記しておくことがオススメです。
靴は玄関で脱ぐなど細かなことから明記した方が良いでしょう。
ルールやマニュアルは分かりやすいよう英語表記がベストです。
近隣住民トラブル対策は前もって行う必要があり、対策として「事前のお知らせ」を近隣住民に行うのがおススメです。
民泊運営に不満をもっている方ばかりではなく、外国人と英語でコミュニケーションを取りたいという方はたくさんいます。
積極的に事前活動を行ってみましょう。
宿泊者の身元確認があいまいになると、余計テロリストや犯罪者らの滞在先になってしまう恐れがあります。
今は法改正やルール作りが本格化し、民泊に関わる不安なニュースは大幅に減少しています。
しかし、貸す側も万が一のために犯罪行為の事例を把握しておくべきでしょう。
犯罪行為の防止対策として、近隣住民に「宿泊者に気になることがあったら、連絡してください」など、協力を仰ぐことはおススメです。
政府もマンションの民泊トラブル防止を目的として法整備も整えています。
国土交通省は2017年8月29日、分譲マンションを使った民泊事業に関する規定事例を示す「マンション標準管理規約」を改正しています。
「あらかじめマンション管理組合において区分所有者間でよく議論し、その結果を踏まえて住宅宿泊事業を許容するか否かを管理規約上明確化しておくことが望ましい」との考えを示しています。
同じマンションの住民が「民泊営業」している場合
まず民泊をしていいのか・ダメなのか調べる必要があります。
マンションの「管理規約」を確認し、「転貸(てんたい)の禁止」の条項を確認することです。
この点を、管理会社に確認し調査をお願いしましょう。
もう一つの方法として、行政への相談です。
無許可で民泊を行っていた場合は、「旅館業法」違反です。
無許可で民泊を行っていることが明らかになれば、行政から民泊を止めるような行政指導が行われます。
ただこの行政指導には、法的拘束力がないので従わない人も出てきます。
それでも悪質な場合には、警察へ通報することもあるので効果はあるはずです。
まとめ
今注目されている民泊。貸す人・借りる人同士にトラブルが起きないよう事前の対策が必要となってきます。
どういったトラブルがあったか知ることも重要です。
お互いが利用して良かったと思える民泊にしたいものです。
民泊経営をお考えの方は、「いえらぶ物件検索」から理想の物件を探してみてはいかがでしょうか。
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Writer この記事を書いた人
- いえらぶコラム編集部
- 不動産業界・賃貸物件に関する広報活動を行いながら、現在はいえらぶGROUPのライターとして活動中。おもに、不動産・賃貸物件・税金・片付け・車といった暮らしに関わる記事を執筆しています。