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- 10月31日はガスの記念日!賃貸物件のガスの種類ごとの特徴は?
目次
10月31日は「ガスの記念日」です。
1972年に一般社団法人日本ガス協会によって制定されました。
この日が記念日として選ばれた理由は、今から150年ほど前に遡ります。
1872年の10月31日、横浜市の馬車道通りで日本初となるガス灯がともりました。
このガス灯により日本におけるガス事業が始まりました。
2年後の1874年には東京の銀座でもガス灯が整備され、85基ものガス灯の光が銀座行き交う人々を煌々と照らすこととなり、本格的に文明開化が進んでいきました。
当時、ガス事業は東京府瓦斯局によって官営で執りおこなわれていました。
しかし民営化してさらなる普及をはかるべきとの声が大きくなり、東京府瓦斯局の局長であった渋沢栄一を中心に、今の東京ガス株式会社の前身となる東京瓦斯会社が設立されました。
当時ガス灯は裸火でしたが、技術の革新によって木綿に発光剤を染み込ませたマントルが採用されたことで裸火の5倍もの明るさを放つようになり、人々をより一層明るく照らしていました。
明治時代後期になるとガス事業は最盛期を迎えるものの、除々に街灯としての役目は電気が担うこととなり、ガスの活躍の場は家庭へと移り、現在に至ります。
ガスの記念日である10月31日は、全国各地でガスの安全な使い方やガスの有効利用方法などについてPR活動がおこなわれています。
この記事ではガスの記念日にちなんで、住宅に欠かすことのできない重要なインフラであるガスの種類についてまとめました。
住宅に供給される都市ガスとプロパンガスの2種類のガスの特徴やメリット・デメリットをまとめてありますので、引っ越しをする際の参考になれば幸いです。
都市ガスの特徴やメリット・デメリットとは?
住宅に供給される都市ガスとプロパンガスとでは、そもそも原料となるガスの種類や供給される方法が異なります。
それぞれのガスにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
まずは都市ガスから見ていきましょう。
都市ガスの特徴
都市ガスは天然ガスなどから抽出されるメタンを主な原料とするガスです。
空気よりも軽く、プロパンガスよりも熱量が低いという特徴があります。
前述のガス灯をルーツとしており、地中に埋設されたガス管から各家庭に供給されています。
都市ガスの供給には、大規模な埋設工事が必要です。
そのため比較的人口の多い都市部では整備が進んでいるものの、離島や山間部など人口が少ない地域ではあまり普及していません。
都市ガスのメリット
それでは都市ガスを使用することのメリットを見ていきましょう。
都市ガスの最大のメリットは供給価格の安さです。
都市ガスは国や地方自治体の認可を受けておこなう認可事業です。
そのため都市ガスの料金は、電気や水道と同じく公共料金と呼ばれています。
公共料金の価格は、経済情勢で乱高下すると消費者に混乱が生じることから、事業者が自由に変更できるものではありません。
すでに埋設されているガス管を通じて供給されるため、余計な人件費がかからず、価格が安定するという訳です。
また都市ガスの原料である天然ガスは人体にとって無害です。
さらにプロパンガスと比べて二酸化炭素の排出量も抑えられるため、環境に優しいという点も都市ガスを使うメリットと言えます。
都市ガスのデメリット
一方で導入に手間と時間、費用が掛かるという点が都市ガスのデメリットです。
一度設備が整ってしまえば安定供給できますが、建物を新築する際など新たに都市ガスを導入する場合にはガス管の敷設工事が必要です。
この工事に時間と手間、費用が掛かってしまいます。
そのため一戸建てなどでは、導入コストの面からプロパンガスが選ばれることが多いです。
万が一、災害などになった場合は自動的にガスの供給が停止する仕組みとなっているため、安心して使うことができます。
しかしガス管が埋設されているため、復旧するまでには時間が掛かってしまいます。
東日本大震災では復旧するまでに、プロパンガスと比べて2週間ほど長く時間が掛かったという記録が残されています。
プロパンガスの特徴とメリット・デメリットとは?
プロパンガスの主原料はプロパンやブタンと呼ばれるガスです。
空気より重く、熱量が高いのが特徴です。
正式には液化石油ガスを意味するLPガスと呼ばれています。
国内で消費されるプロパンガスの4分の3は海外からの輸入に頼らざるを得ません。
そのためプロパンガスは大型のタンカーに載せられて運ばれてくる訳ですが、液化して状態で運搬されます。
というのもプロパンガスは常温では気体ですが、圧力を加えたり冷却することで安定した液体にすることができます。
さらに液化すると体積が250分の1まで圧縮できるため、非常に効率が良いのです。
液化されたプロパンガスはそのまま自宅まで運ばれ、使用時に気体となって燃焼する仕組みになっています。
プロパンガスのメリット
プロパンガスは都市ガスと異なり、ガス管を埋設する必要がありません。
建物の壁にガス管を取り付けるだけで供給できるため、導入コストが安く、時間もかからず使用できる点が最大のメリットです。
ガスの性質によって熱量が高く、少ない時間で効率的に調理できるため、料理の時短にもなります。
また供給設備が壁の見えるところに設置されているため、災害時の復旧が早いという点もメリットといえます。
プロパンガスのデメリット
一方でプロパンガスを使用する最大のデメリットは、使用料金の高さです。
そもそもプロパンガスは各建物ごとにボンベを設置する必要があり、定期的に交換をしなければなりません。
ボンベへの封入や運搬に人件費がかかるため、その分がガス料金に反映されて、都市ガスよりも使用料金が割高になっています。
ガスを使用する際の注意点とは?
お部屋選びをするときに意外と見落とされがちですが、使用するガスの種類が変わることで思わぬ出費が必要なことがあります。
ガス機器は併用できない
都市ガスやプロパンガスはそれぞれ原料が異なるガスです。
そのためガスコンロや給湯器などのガス機器は専用のものを使わなければなりません。
つまり今まで住んでいたプロパンガスのアパートから都市ガスのマンションに引っ越すとなった場合は、ガス機器の買い替えが発生するということです。
引っ越し寸前まで気づかなかったということがないよう、事前に確認しておくと良いでしょう。
元々ガスは無臭
本来生成されたばかりのガスは無臭です。
しかし万が一ガス漏れが発生してもすぐに気付けるよう、供給前に着臭や付臭と呼ばれる作業がおこなわれています。
あえて人が不快と感じる臭いを付けてありますが、燃焼すると臭いも消えてなくなります。
万が一不快な臭いがしたら、ガスの使用をやめて換気をするようにしましょう。
まとめ
ガスの種類にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
場所によっては供給されていないこともあるため、自由に選ぶことができない場合もありますが、お部屋探しをするときには事前にガスの種類も念頭に探すことをおすすめします。
ガスの種類は検索サイトのチェックボックスになっていたり、物件資料の設備欄などに記載がありますので、確認してみてください。
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