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- ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?確定申告の注意点とは
目次
ふるさと納税とは、生まれた故郷や台風の被害に合ったエリアなど、応援したい自治体に対して寄附ができる制度です。
そして、「所得税の還付」「住民税の控除」などの節税効果があり、地域のお礼の品ももらえることでも人気です。
しかし、ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できるか悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
結論としては、併用はできます。しかし、人によっては控除される金額が少なくなるケースもあります。
今回は、ふるさと納税と住宅ローン控除が併用できるか、そして確定申告をする場合の注意点、実際のシミュレーションなどをご紹介します。
ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?
まず、ふるさと納税と住宅ローン控除それぞれどのようなものなのか、そして併用できるのかについてわかりやすくご説明します。
<ふるさと納税とは>
ふるさと納税とは、生まれた故郷などの応援したい自治体に対して寄附ができる制度です。
そして、寄附をすることで、以下のようなメリットを受けることができます。
①寄附をした自治体から地域の名産品などの「お礼の品」を受け取ることができる
②控除上限金額内であれば、合計寄附額から2,000円を引いた額について、「所得税の還付」「住民税の控除」を受けることができる
③寄附金の使い道を指定することができる
要するに、自己負担額が実質2,000円で地域の名産品などの「お礼の品」をもらえるという、お得な制度なのです。
<住宅ローン控除とは>
住宅ローン控除とは、条件を満たした住宅を購入・リフォームするために住宅ローンを利用した方を対象に、支払った所得税や住民税の一部が戻ってくるという制度です。
実際に還付される金額としては、以下のとおりです。
控除額 = 年末の住宅ローン残高 × 1%
※10年間控除される
※年間の上限控除額は40万円
<ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?>
ふるさと納税も住宅ローン控除も、どちらも所得税や住民税の節税効果があるものでありますが、併用できるのでしょうか。
結論からいうと、ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できます。
ただ、ふるさと納税を「ワンストップ特例制度」で申請すると基本的に満額の控除を受けられるのですが、「確定申告」で申請した場合、住宅ローン控除を満額受けられない場合があります。
併用する場合の注意点について、見ていきましょう。
ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合の注意点
それでは、ふるさと納税と住宅ローン控除を併用して申請する場合、どのような注意点があるのでしょうか。
基本的にはワンストップ特例制度でふるさと納税を申請すれば控除限度額に影響はありませんが、確定申告の場合は控除限度額に影響が出るケースがあります。
まず、ワンストップ特例制度とはなにかご説明します。
<ワンストップ特例制度とは>
ふるさと納税で税の還付や控除などを受けるためには、「確定申告」もしくは「ワンストップ特例制度」いずれかによる申請が必要になってきます。
ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税をしたあとに確定申告をしなくても寄附金控除ができる仕組みのことです。
手続きはとても簡単で、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入し、寄附した自治体に送るだけで完了です。
ただし、ワンストップ特例制度を受けられるのは、以下の条件に合致する方が対象となります。
①確定申告をする予定のない給与所得者など
確定申告をおこなう方、たとえば年収2,000万円を超える所得者や、医療費控除などをおこなう方、住宅ローン控除適用1年目の方については、ワンストップ特例制度で申請できないことは、注意点として認識しておく必要があります。
ワンストップ特例制度を受けられない方については、確定申告をし、「寄附金控除」としてふるさと納税分を申請する必要があります。
②1年間の寄附先が5つの自治体以下であること
なお、同じ自治体に対して複数回の寄附をした場合は、1つの自治体としてカウントされます。
③申し込みのたびに、自治体に申請書を送付すること
同じ自治体に対して複数回の寄附をした場合も、寄附をおこなうたびに申請書の送付は必要になります。
<確定申告をおこなう場合、控除限度額に影響を与えることも>
ワンストップ特例制度をおこなえば、控除限度額にとくに影響はありません。
しかし、条件に当てはまらないなどでワンストップ特例制度を使えない方もいらっしゃいます。
その場合は、確定申告でふるさと納税の寄附金控除を申請することになりますが、そうなると控除限度額に影響を与えるケースがあることに注意しましょう。
そもそも、ワンストップ特例制度は、「住民税」からふるさと納税制度の控除が引かれるものです。
一方、住宅ローン控除は「所得税」から還付されるものであるため、控除額の計算に影響を与えません。(※住宅ローン控除分を所得税から控除しきれない場合は住民税からの控除もあります)
しかし、確定申告の場合は、ふるさと納税制度の控除が、住民税だけでなく所得税からもおこなわれます。
また、ふるさと納税の控除後に住宅ローン控除額が確定するため、住宅ローン控除が満額受けられなくなるということが生じることがあるのです。
ふるさと納税と住宅ローン控除を申請する場合のシミュレーション
では、ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合、どれくらい控除されるかシミュレーションをしてみましょう。
<計算の仕方>
まず、大まかな計算の流れについて、見てみましょう。
①確定申告をする場合
1. 課税所得金額=所得ー(ふるさと納税の寄附金、基礎控除※自己負担分を除く)
2. 課税所得金額から、所得税を割り出す
3. 所得税から住宅ローン控除を引く
控除しきれない場合は、住民税からも控除 ※課税総所得金額の7%(最大13万6500円)を上限
4. 住民税から、ふるさと納税の自己負担分を除く寄附金を控除
②ワンストップ特例制度を使う場合
1. 所得税から住宅ローン控除額を引く
控除しきれない場合は、住民税からも控除 ※課税総所得金額の7%(最大13万6500円)を上限
2. 住民税から、ふるさと納税の自己負担分を除く寄附金を控除
<確定申告をする場合のシミュレーション>
(例)年収400万円、住宅ローン控除25万円(1年目)の場合
ふるさと納税の上限控除額は、シミュレーションサイトにより42,000円
1.2. 所得からふるさと納税の寄附金・基礎控除などを引いた課税所得金額より、所得税は9万円程度と想定
3. 所得税から住宅ローン控除25万円を引くと、控除しきれない額が16万円
住民税からも16万円を控除する
※課税総所得金額の7%(最大13万6500円)の上限により満額控除できない可能性もある
4. 住民税から、ふるさと納税の自己負担分を除く寄附金(上限42,000円)を控除する
<ワンストップ特例制度の場合のシミュレーション>
(例)年収800万円、配偶者・子どもあり、住宅ローン控除40万円の場合
ふるさと納税の上限控除額は、シミュレーションサイトにより12万円
1. 年収から、配偶者控除などを引いた結果の課税所得税額から、所得税は36万円程度と想定
2. 所得税36万円から住宅ローン控除40万円を引くと、控除しきれない額が4万円
住民税からも4万円を控除する
3. 住民税から、ふるさと納税の自己負担分を除く寄附金(上限12万円)を控除する
まとめ
以上、ふるさと納税と住宅ローン控除を併用した場合どうなるかについて解説しました。
ワンストップ特例制度の条件に合う方は、ワンストップ特例制度を活用すると手続きがスムーズに進むでしょう。
そして、確定申告をおこなう場合は、控除額に影響を与えることがあるため、事前に心づもりをしておくと良いでしょう。
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Writer この記事を書いた人
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