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- 特別な日だからこそ着物を着たい!初詣に着る着物の選び方と作法
目次
新たな一年のはじまりを祝うお正月は、普段よりもちょっとだけ特別。だからこそ「着物を着たい」と思う人も少なくありません。
着物には様々な種類があり、もちろん初詣に適したものもあります。着物の作法を身につけた上で、いつもとは違うお正月を楽しみましょう。
今回は、初詣におすすめの着物の種類と色や柄、防寒対策、着物を着た時の動作ポイント、参拝時の作法についてご紹介します。
着物の種類とお正月・初詣にぴったりの着物
一口に「着物」と言っても、実は様々な種類の着物があります。
中にはお正月・初詣にふさわしくない着物も存在するので、注意が必要です。
まずは着物などの和装の種類について把握しましょう。そうすることで、シーンにあった着物を選べるようになりますよ。
以下にて、着物の種類とお正月におすすめの着物、その選び方をお伝えしていきます。
・振袖
未婚の女性が礼装用として着る着物です。長い袖が特徴的な、とても華やかな着物です。成人式や卒業式などで着られます。
・留袖
既婚者の礼装として着られるのが留袖です。結婚式などでは親族が着用します。黒留袖と色留袖がありますが、黒留袖のほうが格式は上です。
・訪問着
訪問着は礼装よりも一段格式が下がった着物です。略礼装として扱われます。披露宴やパーティーなど、フォーマル度合いの高い会に着ていくのがマナーです。
・小紋
訪問着よりもさらに格式が下の着物です。選び方によってはカジュアルなパーティーや同窓会などに向いています。なお、普段着としても使用できます。
・紬
小紋と同等の格式の着物である紬も、普段着としても着られます。
カジュアルでもOK?初詣には何の着物を選んだらいいの?
様々な種類の着物がありますが、その中でも初詣におすすめなのは小紋です。
つい「神様に失礼のないようにしないと」と思いがちですが、普段着に近い着物を着ていくのがベストなんですね。
初詣はあくまでもカジュアルな場面であるということを意識すると、コーディネートもしやすくなるでしょう。
小紋はカジュアルな着物という位置づけですが、着物全体に模様があるので華やかです。
礼装とまでは言わないけれどきちんとした印象を相手に与えるので、「きちんとした着物を身に着けたい」「新年を明るく迎えたい」という人にはおすすめでしょう。
また、着物は帯の選び方によっても雰囲気が大きく変わります。
小紋には名古屋帯や袋帯がおすすめですし、小物に赤色などを入れるとおめでたい雰囲気も作れます。着物の柄に合わせて選び方を工夫してみると、より着物の楽しさ、魅力に触れられるはずです。
さらに、お正月の挨拶回りなどにも小紋はおすすめです。カジュアルでありながらもオシャレ感のある小紋は、挨拶回りでもマナーに反することがないため、相手に良い印象を与えられるでしょう。
格式はそれほど高くない小紋ではありますが、帯や小物の選びや組み合わせによってカジュアル度合いを調節できるため、ぜひ初詣やお正月の挨拶回りにはステキな小紋を選んでみてくださいね。
雰囲気をグッと高める!お正月・初詣にふさわしい着物の柄や色
お正月・初詣には小紋がおすすめとお伝えしましたが、ではどのような色や柄がふさわしいのでしょうか?
以下にて、おすすめの柄や色の選び方をご紹介します。
・赤や白などがおすすめ
日本では昔から「紅白」の組み合わせがおめでたい色として扱われてきました。
そのため赤と白の組み合わせはお正月におすすめです。
鮮やかな赤は人目を引く、華やかな色でもあります。普段赤を身につけていなくても、特別な雰囲気があるお正月なら着やすくなります。
おめでたいお正月だからこそ、おめでたい色である赤と白の組み合わせを楽しんでみましょう。
なお、紅白の組み合わせの着物は見る人を明るい気持ちにさせる効果もあります。
・松を連想する緑
お正月に門松を立てる家も多いのではないでしょうか?寒さの中でも緑色の葉を保つ松は、日本で古くから縁起物として扱われてきました。
そんな松を連想させる緑色は、見る人に生命力を感じさせます。そのため、おめでたい雰囲気が漂うお正月には、松を連想するような緑色を身につけるのもおすすめです。
門松だけでなくしめ繩など、お正月にまつわるアイテムの多くにも松は使用されています。緑色の着物や、差し色に緑を使うなど選び方を工夫して取り入れてみましょう。
・椿や梅などの柄
椿や梅は早春を感じさせる花であり、お正月の初詣に向いている花でもあります。
お正月は寒く、冬のイメージが強いですが、暦の上では春にあたります。春を感じさせるものを取り入れることで"粋"な着こなしを楽しめるでしょう。
また、花柄は女性を美しく見せる柄でもあるので、初詣デートなどでは椿や梅の柄を着ていくといいかもしれませんね。
・縁起のいい柄が入っているもの
お正月には縁起のいいものを身につけるとよいとされているため、着物にも縁起物を取り入れていきましょう。
縁起物には以下のようなものがあります。
>雀
>おうぎ
>宝づくし(宝物が一箇所に集められている柄)
>水仙
>鳳凰
>鯉
>麻の葉
これらの模様は非常に縁起がいいとされているので、お正月の初詣に着る着物の柄におすすめですよ。
・帯留めを工夫する
着物でなくても、帯留めなどの小物の選び方を工夫することでお正月らしさを演出できます。
普通の小紋であっても、帯留めに干支の動物のものを持ってくることで、一気にお正月コーディネートが完成です。
着物は着物単体だけでなく、帯や小物などでも全体を調節できます。小物の選び方を工夫して効果的に使うようにしましょう。
寒い日にぴったり!初詣にあると助かる防寒グッズ
暦の上では春でも、お正月はやはり寒いもの。着物を着る際にも防寒対策はしっかりと行うようにしましょう。
着物で初詣に行く際に持っていると便利なおすすめ防寒グッズと選び方をご紹介します。
・和装コート
着物を着る場合には通常のコートではなく、和装コートを着用するようにしましょう。
着物専用に作られているため、袖なども締め付けることなくゆったりと着られますし、着崩れを起こす心配もありません。
和装コートには衿の形が四角形のものや丸型のものがありますが、形による格式の違いはありません。着物の格式に関係なく、どんなものにも合わせられるので、和装コートは一着持っておくと便利です。
ほかにも、羽織も防寒対策としておすすめのアイテムです。
羽織はカーディガンのように羽織り、体の前で紐やボタンなどを使ってとめます。コートよりも若干寒さを感じやすいですが、屋内でも脱がなくていいのでとても便利です。
・ストール
首回りが冷えると、全身が冷えやすくなってしまいます。そのため、着物を着る時にはストールをつかって首元が冷えないようにしましょう。
着物専用のものを使ってももちろんいいですし、普段使いしているものを使用しても問題ありません。
なお、ファーを使用すると一気に華やかさが増します。首元を明るく演出し、表情を明るく見せる効果も狙えるので、デートでもおすすめですよ。
リアルファーはちょっと…という方はエコファーと検索すると高級感のあるフェイクファーにも出会えます
・着物用ストッキング
防寒のためには足元を暖かくするのも大切です。
着物用ストッキングを使うことで足元が冷えるのを防げるので、寒い日に着物を着るときには忘れず使用しましょう。
とくに初詣のように長時間屋外にいることが予想されるときには、着物用ストッキングは必須です。身につけているかいないかで、かなり体感温度が変わってきますよ。
・手袋
指先が冷えるのが嫌という人は、手袋を着用しましょう。通常の手袋でも問題はありませんが、着物はどうしても袖口から冷たい風が入りやすいので、手首の部分が長めのものをおすすめします。
コーディネート次第では大正ロマン風の着こなしができるので、レトロな装いを楽しみたい人はぜひ試してみてくださいね。
・足袋カバー
足袋カバーは通常、足袋の上にかぶせて汚れるのを防ぐためのものなのですが、防寒の効果もあります。
足先が冷えるのを防げるので、寒い日に着物を着る場合にはおすすめのアイテムといえるでしょう。
所作から美しく…着物を着たときの動作ポイント
普段とは違うファッションだからこそ、着物を着る時には一つ一つの動作ポイントをチェックしたいもの。
ほんの少し意識した動作を心がけることで、魅力もぐんと上がります。
・背筋を伸ばす、が基本姿勢
着物を着る時には背筋をしっかりと伸ばしましょう。立っている時だけでなく、座っている時も背中をまっすぐにします。
肩甲骨は常に寄せるイメージを持ち、それと同時に肩の力を抜いていかり肩にならないように意識することが大切です。
肩を後ろに引いた上で、首筋をまっすぐに立てるようにすると美しい着物姿勢になります。
・歩き方は歩幅を狭く
着物では大股に歩くことができないので、普段よりも歩幅を狭くして歩くようにしましょう。背筋を伸ばして小股で歩くようにするときれいに歩けます。
さらにつま先も意識しましょう。常につま先が開かないよう、若干内股気味に歩きます。体の内側に力を入れて歩くと、つま先が開くのを防げますよ。
履物をずるように歩いたり、逆にバタバタと忙しなく歩いたりすると美しくありません。着物を汚す原因にもなってしまうので、なるべく静かに歩くよう心がけましょう。
きれいに歩くことを意識すると、着崩れしにくくなるなどのメリットもあります。着物を着る時には歩き方にも配慮してみてくださいね。
・階段ではたてづまを持ち上げる
足元に段差のある階段では着物を汚してしまう恐れがあるので、上り下りする際には"たてづま(着物のひらひらする部分)"を軽く持ち上げるようにしましょう。
ただし、たてづまを持ち上げすぎると着崩れの原因になるほか、足が見えてしまい見た目が悪くなるため注意しましょう。
・下に落とした物を拾うときは袖にも注意
落としたものなどを拾うときには、着物を汚さないよう細心の注意が必要です。
左手でたてづまを押さえた状態で、膝を地面につけないように座ります。
さらに、物を拾う側の袖を反対側の手で押さえることで、足元と袖口が地面に接するのを防ぐことができます。
なお、しゃがむときには右足を少し後ろに下げておくと、しゃがんだり立ち上がったりの動作がしやすくなりますよ。
失礼のないご挨拶を!意識したい初詣の参拝マナー
最後に初詣で神社に行く際のマナーについてご説明します。
神社では独特のマナーがあるので、それらをしっかりと押さえた上で参拝しましょう。
1. 鳥居をくぐる時
神様の通り道である鳥居をくぐる際には、拝殿に向けてかるく一礼をするようにしましょう。
2. 参道の中央は神様が通る場所
鳥居をくぐり、参道を通るときには端を歩くようにしましょう。
参道の中央は神様が通る場所。行きだけでなく帰りも中央は避けて通ってくださいね。
3. 手水で口と手を清める
神様に参拝する前に、手水舎で口と手を清めましょう。
最初に右手で柄杓を持って左手を清めたら、次に柄杓を左手に持ち替えて右手を清めてください。
もう一度右手で柄杓を持ち、左手に水を注いで口をすすぎます。
口をすすいだ水は、ほかの人に見えないよう手で隠しながら足元に吐き出しましょう。その際、音を立てないような配慮も必要です。
最後に柄杓に水が残った状態で柄杓を縦にし、柄杓の柄を洗います。
4. 拝殿での作法
拝殿に立ったら軽く一礼をします。鈴がある場合は鈴を鳴らしましょう。
お賽銭を投げたら二礼に拍手一礼をします。
礼をしたら両手を胸の前で合わせるのですが、このとき両手の指先を揃えるのではなく左側が少し高くなるようにしてくださいね。
拍手を終えたら、ずらしていた両手の指先を揃えてお祈りをし、最後に一礼をします。
5. 帰りに鳥居をくぐる際にも軽く一礼
参拝を終え、鳥居をくぐって帰る際にも拝殿に向かって軽く一礼をしましょう。
まとめ
年に一度のお正月は、着物を着るのに適しています。
着物を着ると気分が引き締まりますし、着物で出かけると気分が一気に華やぐので、普段は着物を着ないという人にもおすすめですよ。
作法が分からない、などの心配もあるでしょうが、あまり気にしては着物の良さは半減してしまいます。
もっと気軽に着物にチャレンジして、普段とは違うお正月を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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