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- 【マンション防災】ベランダ仕切り板・壁の交換費用と修理方法は?トラブル時の対処法も解説!
目次
マンションやアパートのベランダには、隣室との間に「非常の際は、ここを破って隣戸へ避難して下さい」と書かれた仕切りが設置されていますよね。
非常時の破り方や、「台風などの災害時やちょっとした不注意で壊れてしまったときの対処法が知りたい」人もいるかもしれません。
今回は、ベランダやバルコニーに設置されている仕切り板についてご紹介していきます。
まずは知ろう!ベランダにある仕切りの名前や素材、目的
マンションやアパートに住んだことのある人はピンとくるでしょうが、ベランダやバルコニーには隣室との間に仕切り用の壁が設置されています。
これは「隔て板」「仕切り板」「蹴破り戸」「隔板(かくはん)」「ベランダ隔て」「戸境壁(こざかいへき)」などと呼ばれるもの(以下、隔て板で統一)。
ケイカル板やフレキシブル板といった法定不燃材料※が使われており、サイズが変質しにくいという特徴があります。
※建築基準法で定められた材料、または認定された材料のこと。加熱しても燃え始めるまでに時間がかかる素材でできている。
軽くて強度が弱めのケイカル板は低層アパートに、重くて強度が高いフレキシブル板は高層マンションなどに使用されています。
隔て板には、隣室との空間を分けることでプライベートを確保する役割があります。
また、火災などの非常時に蹴破り、避難経路を確保することを目的に設置されています。
なお、緊急時に隔て板を蹴破って避難するときは、言葉が書かれているほうの壁を壊しましょう。
表示のある方向に避難すれば避難器具(避難ハッチ)がある場所へ行けますが、表示のない方向は行き止まりになっていることがほとんどです。
むしろ、表示のない側から避難してくる隣人の非常口となるので、ベランダにはできるだけ物を置かずスムーズに通れるように配慮しましょう。
ベランダは非常時に邪魔にならないように活用していきたいですよね。
もし今荷物をたくさん置いている方は、多少は片づける必要があるかもしれません。
ベランダに関する規則について知り、隣人に迷惑にならないようにベランダを活用できているのか知りたい方は下記の記事でチェックしてみてください。
苦戦した人や怪我をした人も…意外と頑丈な隔て板
「非常時の避難経路になることは分かったけど、本当に蹴破れるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
とある住宅系WEBサイトが行ったアンケートによると、自宅に隔て板が設置されていると答えた人(83.5%)のうち、蹴破ったことがあると答えた人は3.1%、蹴破ったことがない人と答えた人は96.9%。
また、蹴破った人に感想を聞いたところ「簡単に蹴破れた」「思ったより時間はかかったが蹴破れた」という人がいる一方で、
「想像よりも力が必要」
「怪我をした(しそうになった)」
という人もいたそうです。防火訓練ならまだよくても、本当の緊急時に蹴破れないとなると不安ですよね。
そこで事項では、隔て板を破る際に役立つ豆知識をお教えします!
火事場の馬鹿力が必要?女性でも仕切りを蹴破れるコツ
隔て板を蹴破るのは思った以上にハード。特に力のない女性は苦戦することが予想されます。
しかし、以下の点に注意すれば、怪我なく安全に隔て板を破ることが可能ですよ。
<隔て板を壊すときは思い切り靴底で蹴る>
隔て板は思った以上に頑丈にできているため、両手を壁と手すりに置き、体を支えながら思い切り足裏で蹴りましょう。
ポイントは、「同じ場所を蹴り続けること」「つま先ではなく、かかとで蹴り破るイメージでキックすること」です。
壁にあたる面積が小さいほうが一点に加わる力が強くなるので、力がない女性はかかとで蹴破るのがいいでしょう。
何回か繰り返し、安全に通れるくらいに穴を広げたら避難を開始してください。
<靴を履き厚手の服で肌を守る>
隔て板の割れ目はギザギザしています。足で蹴破ったときに怪我をする恐れがあるので、スニーカーや革靴、ブーツなどの底の厚い靴を履いて蹴るようにしましょう。
また、蹴破ったときに足がはまり引き抜く際に怪我をしたり、通り抜けるときに鋭利な破片で怪我をしたりすることもあるので、靴だけでなく洋服にも注意が必要です。
薄いパジャマやスマート、半ズボンは避けて、裾の広がっていない厚手のパンツを履いたり、靴下を履いたりと安全な服装を心がけましょう。
<蹴破る力が足りない…そんなときは道具を使おう>
「力を込めて蹴っても隔て板が破れない」「足を怪我してしまい蹴ることができない」といった場合は、ハンマーや金属バット、フライパン、鍋などの硬い物を使って隔て板を壊しましょう。
実際に動画で、破り方が紹介されています。
女性でもできる!マンションの「蹴破り戸(隔て板)」の蹴破り方のコツ ~マンション・ラボ~
ベランダの隔壁板を割るにはフライパンが最適!と聞いたのでやってみた
「家族がいるならまだしも、一人暮らしの女の家に金属バットがあるのってどうなの?」と思う女性もいるかもしれませんが、緊急時の備えと思えば何ら不思議なことではありません。
何にせよ命が大事なので、火災などの非常事態には備えておくことが大切です。
自然災害や不注意で仕切りが壊れたらどうすればいい?
隔て板は意外と頑丈とお話ししましたが、
・台風や竜巻などの自然災害
・ヒョウや雪の落下
・物がぶつかった
などによって壊れることもあります。
普通に生活している中で隔て板が壊れてしまった場合は、破損の状況を記録するために写真や動画を撮りましょう。
特に自然災害によるものは、住んでいる人の過失とならないことが多いので、証拠のためにも写真や動画を撮っておくことが望ましいと言えます。
仮にこちらの過失であっても、破損状況を説明する際に役立つので記録は残しておきましょう。
なお、隔て板が壊れたときは、早急に大家さんや管理会社(不動産会社)、マンションの管理組合などに連絡してくださいね。
ベランダでのトラブルは少なくしたいですよね。
マンションに住んでいる人の中には、ベランダにやって来るハトで困っている人も多いのではないでしょうか。
下記の記事ではマンションのハトによる被害にどのようなものがあるかについてと、被害を防ぐためのハトよけ対策についてまとめました。
もし今ハト被害に悩まれている・被害を予防したい方はご覧になってください。
隔て板が壊れた...!対応するのは自分?それともお隣さん?
隔て板は隣室との共有のものなので、災害などで壊れた場合にどちらが対応したらいいか分からないという人もいるでしょう。
そもそも、隔て板の修理・交換はビス頭があるほうのベランダで作業を行います。
仮にAさん(ビス頭なしの住人)が隔て板の修理を依頼しても、Bさん(ビス頭ありの住人)の立ち会いが必要になるということです。
このことから、基本的にはビス頭ありのベランダ側に住む人(上記で言うとBさん)が修理・交換時の主体となります。
しかし、一方に任せきりにするというのは、今後のご近所付き合いを考慮すると賢明な判断とは言えませんよね。
ビス頭がないほうの住人の過失で壊れることもあるので、修理の際は双方が協力して行うようにしましょう。
隔て板の修理・交換の費用と時間は?手配は誰がするべき?
隔て板の修理費用(交換費用)の目安は、2~3万円ほどです。フレームが無事なら板だけの交換となるので、もう少し安くすむでしょう(相場は約8,000円だが会社によって異なる)。
とはいえ、繁忙期や見積もり等の関係で価格に変動が生じることもあり、様々な事情が重なると4~5万円ほどの請求がくることもあるようです。
さらに、作業にかかる時間は1~2時間ほどとされていますが、自然災害による破損は依頼が殺到することがあります。
場合によっては手配から修理まで1ヵ月ほどかかることもあるので、お隣さんの立ち会いが必要な場合は先に相談し、お互いに都合のいい日を決めておきましょう。
手配についてですが、賃貸物件の場合は大家さんや管理会社が行うことがほとんどです。過失がなければ借主が費用を負担することもないので、あまり心配はいらないでしょう。
しかし、持ち家(分譲マンション)の場合、管理組合が手配してくれることもありますが、自分で手配するように言われる可能性もあります。
万が一のために、隔て板の修理・交換を行う業者をリサーチしておくことをおすすめします。
なお、自然災害による破損は火災保険が適用されることがあるので、入居の際に火災保険へ加入しているなら書類を確認してみてくださいね。
こんなときどうする?ベランダの隔て板で起きたトラブルの事例
隔て板に関するトラブルですが、実は少なくありません。実際にあったトラブル相談を見つけましたのでご紹介します。
〇質問
マンションの隣に夫婦と子どもが住んでいるのですが、ある日、子どもが私の部屋と隣室との間にある仕切りを壊してしまいました。
破損は親の責任と考えたため隣人に修理をするように求めたのですが、「ベランダは共用部分だから管理組合が支払いをすべき」との返答が。
この場合、修理費用は管理組合の負担ですか?それとも過失がある隣家が支払うことになりますか?
〇答え
子どもとはいえ、他人の財産に損害を与えると賠償責任が発生します(民法709条※)。ただ、子どもには支払い能力等はないので、この場合は仕切りを壊した子どもの親が修理代を負担することになります。
なお、老朽化や緊急避難の際の破損は管理組合が修理費用を負担することになります。
※民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これに生じた損害を賠償する責任を負う」
参考:e-Gov「民法 第七百九条」
修理が終わるまで放置はダメ!穴をふさいで応急処置しよう
上記でも述べましたが、自然災害によって隔て板が破損したときは、他の住まいでも同様の被害が起きている可能性が高いので、手配から修理までに時間がかかることがあります。
しかし、だからと言って修理までそのままにしておくとプライバシー的にも防犯的にも不安なので、応急処置で穴をふさぎましょう。
不透明かつ丈夫な素材でできたもの(段ボールやブルーシート、プラスチック板など)を破損箇所にあて、動いたり飛ばされたりしないようにヒモやガムテープなどでしっかりと固定してください。
ただ、隔て板に比べると強度は低いので穴をふさいだからと安心せず、ベランダやバルコニーの出入り口は忘れずに施錠し、カーテンをして室内が見えないようにしましょう。
一度経験してみたい人は"ベランダ避難体験キット"を利用しよう
「一度でいいから練習のために隔て板を蹴破りたい」と思う人もいるでしょうが、それをマンションの現物でやるのは褒められた行為ではありません。
万が一のために経験してみたいという人は、エスデー工業有限会社さんがレンタル提供している「ベランダ避難体験キット」を使ってみてはいかがでしょうか。
実際にどのくらいの力が必要なのかが分かりますし、マンションの仕様にあわせたキットもオーダーできるそうなので、避難訓練にはもってこいでしょう。
なお、ベランダ避難体験キットの価格は2万5,000円(パネル1枚+送料往復込み)です。蹴破り用パネルは1枚3,000円とのことなので、注文する際は複数枚まとめて注文してもいいかもしれませんね。
いざという時の備えや準備は災害時に備え必要です。
普段からしっかり防災対策は出来ているでしょうか?
防災グッズや避難ルート、ハザードマップに関しての知識を持っておくだけでも非常時には役立ちます。
しっかり防災対策できているか、この機会に見直してみてくださいね。
>>9月1日は防災の日!あなたはしっかり防災対策できていますか?
まとめ
マンションやアパートのベランダは避難経路になっているので、隔て板の前には物を置かず、常に安全を確保できる状態をキープすることが望ましいと言えます。
また隔て板を蹴破る際は意外と力が必要なので、どうすれば蹴破れるのか、蹴破れない場合の対処法などを常に意識しておくことも大切です。
マンションやアパートにお住まいの人は、ぜひ上記を参考にしてみてくださいね。
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